プレコンセプションケアについて

2006年にアメリカで提唱され、ここ数年、日本でも注目されている「プレコンセプションケア」。「そろそろ赤ちゃんがほしい」「結婚はまだまだ先」という人にも、いまから始めてほしい妊娠前の体づくりやライフプランについて、園田桃代ARTクリニックの園田桃代先生に教えていただきました。

園田桃代ARTクリニック 園田桃代 先生 1995年 佐賀大学医学部卒業後、福岡大学医学部産婦人科学教室入局。1998年 福岡大学医学部大学院、2002年 福岡大学医学部付属病院 不妊内分泌グループを経て、2005年 IVFなんば・大阪クリニック勤務。2010年 園田桃代ARTクリニック開設。プレチェック外来から、一般不妊治療、体外受精などトータルな医療体制で、明るく前向きな「仕事と妊活の両立」をサポートする。

将来の妊娠・出産で後悔しないために

 

女性の体は年齢とともに変化しています。とくに「妊娠する力」は、20代後半から低下し、30代後半〜40代になるとゼロに近づきます。体外受精顕微授精など妊娠率の高いART治療でも年齢の壁を超えることはできません。プレコンセプションケア(Preconception Care)は「妊娠前の体づくり」という意味で、妊娠前からご自身の健康や生活に向き合う取り組みです。いまから妊娠・出産の正しい知識を身につけて、将来の準備をしていきましょう。

自分の子宮や卵巣のこと、知っていますか?

そこで大切なのが「自分の体を知る」ことです。まずは婦人科で自分の体に向き合われることをおすすめします。「婦人科は敷居が高い」と思われがちですが、最近は女性専門医が妊娠・出産適齢期の女性をサポートする施設が増えています。当クリニックのプレチェック外来にも「いつかの妊娠のために、自分の状態を知っておきたい」という、20〜30代の未婚・既婚女性やカップルの方が多くお越しになっています。

プレチェック外来では、おもに婦人科の診察と基本検査(感染症、風疹・麻疹抗体、血液検査、子宮がん検査)や、ご希望により卵巣年齢(AMH)やホルモン検査などで子宮や卵巣の状態を調べ、その方に合わせたセルフケアや治療をご提案しています。なかには「妊娠はまだ先」と考えていても、プレチェックで問題が見つかり、妊活を早めたり、不妊専門医の力を借りて妊娠をめざす方もいらっしゃいます。また、未婚の方は定期的なチェックで、いつでも妊娠できる状態に整えていくこともできます。

プレコンセプションケアではバランスの良い食事も大事な要素の一つです。ふだんの食事は妊娠・出産だけでなく、毎日の健康にも影響します。とくに体重のアップダウンが激しい方は、月経異常や排卵障害が起こりやすく、不妊症の原因になります。妊娠には適切なBMIを保つことが大切です。たとえば、体重コントロールが必要な方には、体重変化や食事内容を記録していただく健康記録表をもとに、看護師が食事方法や栄養バランスなどの具体的な指導を行い、適切なBMIに近づけていくサポートもしています。

 

ライフプランを考えて、仕事と治療の両立を

社会で活躍する女性にとって治療が必要になったとき、課題になるのが仕事と治療の両立です。なかには治療のために仕方なく退職を選択される方もいらっしゃいます。当クリニックのアンケートでは60%の方が仕事と治療を両立し、そのうち70%の方は職場に治療のことをお話しされています。前向きに治療していくためには、どうしても上司や同僚の理解やサポートが必要になります。職場とうまくコミュニケーションを取り、仕事やプライベートも充実するなかで、治療を受けていただきたいと思っています。

治療をしていくなかでは、精神的につらい時もあるかもしれません。そんな時は、日々サポートしてくれるご家族への感謝など、治療以外のことに目を向けてみてください。それでもつらい時は医師や看護師にぜひ話してほしいと思います。心のあり方は治療にも影響します。明るい気持ちで治療にのぞんでいただけるよう、私たちもサポートしていきます。

お子さまの希望人数によっても、妊活のスタート時期は変わります。将来のライフプランをイメージしつつ、プレコンセプションケアに取り組んでいただけるといいですね。

 

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。