知っておきたい「高額療養費制度」。

高額療養費制医療保険の

不妊治療を進めるにあたって、お金のことも気になるとこ 。一定額以上は健康保険が支払ってくれる「高額療養費制度」 のことや知っておきたいお金の知識についてファイナンシャ ルプランナーの髙橋太輔さんに伺いました。

ルプん 講師として数多くの講演実績があり、個別 相談は年間300 件以上。得意分野は「教 育資金」「老後資金」などの貯蓄関連。

高額療養費制度とはどのような制度ですか?

健康保険が適用される医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分について、申請をすれば後で払い戻しされる制度です。ただし、国民健康保険、社会保険、企業独自の健康保険など、加入している保険の種類や世帯収入によって自己負担限度額は変わってきます。

一般的な目安でいうと普通の社会保険で中所得の方の場合、およそ8万 4000 円までが自己負担です。ただ誤解している方も多く、よく「 8 万 4000 円以上は払わなくていいんでしょう?」と聞かれるのですが、例えば個室の差額ベッド代やオプションで食事のグレードを上げたりなど、健康保険適用外の費用については含まれませんので注意が必要です。

また、期間は同ひと月( 1日から月末まで)と決められているため、同じ病院で同じ治療を同じ期間行ったとしても、月頭と月終わりの入院では計算が変わってきます。   15日間の入院で15万円かかったとしても、月をまたい でしまうと、全部自己負担になってしまう場合もあるのです。ほかにも、複数の治療を行った場合に、合算できないものがあったりなど細かな制約もありますので、病院の窓口でよく確認されることをおすすめします。

妊治療に利用するにはどんなケースがありますか

体外受精など自由診療については、現在、全額自己負担ですが、たとえば不妊に悩んで病院に行ったところで、卵巣や子宮内膜の異常が見つかって治療することになったり、卵管鏡下卵管形成術を行う必要が出てきたりなど、健康保険適用での手術・入院が必要なケースは、いろいろ考えられます。

事前に手術・入院で医療費が高額になることがわかっている場合には、「限度額適用認定証」という申請書(厚労省などのHPでダウンロード)を提出する方法もあります。これを入院時に提出すると、最初から自己負担分だけ支払えばいい仕組みです。医療機関からも案内があると思いますのでよく確認してください。

「高額療養費制度」の詳細は厚生労働省 HP で確認を。

 

不妊治療を進めるにあたり知っておくべきことは?

入院手術を伴うケースについては、民間の医療保険でもカバーしているものが多くあります。ただし不妊治療を開始してからだと対象外となるものや、逆に不妊治療に手厚い保険もあります。治療を開始する前に加入している医療保険の内容をよく確認し、必要があれば見直しされておくといいでしょう。

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