40代で卵管閉塞などがあった場合、卵 管因子そのものを取り除く外科的治療、 もしくは少しでも妊娠率を高める高度 生殖医療、どちらを選択したらいいので しょうか。

あいウイメンズクリニックの 伊藤哲先生に詳しいお話を伺いました。

伊藤 哲 先生 順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。順天堂大学医学部産婦人科学講 師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、1999 年あいウイメンズクリニッ ク開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。診察時間を少し短縮したことでス タッフの残業が減り、逆に治療の効率もアップ。快適な職場環境で長く働くスタッ フが多く、勤続 18 年の看護師さんもいるそうです。
ねこさん(41歳)からの相談 Q.11 月に子宮卵管造影検査を行ったところ、両卵管狭窄があり、2月末にFTをして両 卵管拡張。その後、半年は彼の意向もありタイミングを、7、8月にゴナールエフⓇ を使用しながらAIHに臨みましたが、結果は陰性。再度、子宮卵管造影検査を実施。 左の卵管に造影剤を流しても通らず、子宮に逆流してしまいました。1回目の検査は 激痛でしたが、今回は痛みはまったくなし。痛みがなくても閉塞していることもある のでしょうか。それともたまたまどこかに当たっていた? AIHの予定がありましたが、 左から排卵していることが多かったため、確率が低いとのことで中止に。再度FTを するか、体外受精にステップアップするか悩んでいます。

FT(卵管鏡下卵管形成術)後、また卵 管が閉塞してしまうことはあるのですか?

伊藤先生 FTをやって詰まった卵管が通っ たのなら、だいたい1年程度はその状態を維 持することができると思います。不妊の原因 が卵管因子だけという場合、 30 %くらいの人 がFT後に妊娠しています。

1回通ったらずっとそのままで 2 人目のお 子さんを妊娠する人もいれば、再発を繰り返 す人も。それほど多くありませんが、半年程 度でまた狭窄してしまう人もいるようです。

2回目の子宮卵管造影検査では痛みが なかったということですが。

伊藤先生 卵管が狭窄していたり、閉塞し ている場合、痛みが出ることが多いのです が、必ずしも全員に痛みが出るとは限りま せん。痛みの有無だけでは決められない部 分はありますね。ねこさんのように、前回は痛みがあったけれど今回は痛みがなく、 それでも卵管閉塞が確認されたというケー スもあり得ると思います。

今後の治療について、再びFTを受け るか、それとも体外受精に進むか、どちら を選択したらいいですか?

伊藤先生 通常では、FT後、1年間一般不 妊治療にトライして、それでも結果が出な かったら体外受精にステップアップすると いうケースが多いようです。

ねこさんの場合、次の治療を決める際、一 番のポイントになるのは年齢ではないでしょ うか。 41 歳だと何もトラブルがなくても妊娠 しづらく、少しでも妊娠の確率が高い方法を チョイスしたほうがいいと考える年齢です。

再度FTを受けて、また人工授精を繰り返 すのはあまり意味がないのでは。卵管を治 療することにこだわって貴重な時間を使ってしまうより、ステップアップしたほうが いいと思いますね。

排卵も閉塞している側の卵管に偏って いるようで、人工授精も厳しいようです。

伊藤先生 ねこさんのように排卵に偏りがあ る方はよくいらっしゃいます。そのような場 合、詰まっていないほうで排卵するように、 クロミッドⓇなどの排卵誘発剤を使いながら人 工授精をすることがあります。しかし、偏り が大きいと注射を使ってもなかなか解消でき ず、体外受精に進むケースも。もしこの方法 を試すとしても1、2周期でしょうか。

卵管因子が気になると思いますが、ねこ さんの場合、それよりも重要視しなければ いけないのは前述のとおり、年齢因子です。 ご主人がステップアップに抵抗を感じてい らっしゃるようですが、体外受精の説明会 や不妊カウンセリングなど、治療について 理解してもらう機会はあると思います。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が 1・ 48ng / ml と年齢の割にやや高めですが、 のんびりはしていられません。ご主人とよ く話し合って、早めにステップアップを考 えていただきたいですね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。