みんなが知りたい!
検索上位 キーワードをドクター が解説 不妊に関して、みんなどんなことを知りたいと思っているのでしょうか。
Webジネコなどで多く検索されているキーワードをピックアップ! テーマ別にドクターに詳しく解説していただきました。j
人工授精 石原 尚徳先生【久保みずきレディースクリニック】
人工授精 妊娠率
人工授精の 妊娠率を教えて
人工授精は、人の手を介して精子を子宮内に送り込みますが、受精、着床など妊娠そのものの成立は自然で、体への負担が少ない治療法です。
一般的な人工授精の妊娠率は5〜 10 %といわれています。
当院の1回あたりの人工授精による妊娠率は 10 〜11 %程度。
人工授精の妊娠率はもっと高いと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、これが現状です。
人工授精が適しているケースは、次の4つです。
( 1 )原因不明の不妊(しばらくタイミングをとっても妊娠に至らない場合など)。
( 2 )フーナー検査で不良が認められた場合(頸管粘液不全など)。
( 3 )軽度の男性不妊(精子数が少ない乏精子症、運動性が少ない精子無力症など)。
( 4 )性交障害(EDなど)。
ちなみに 40 歳を超えると、人工授精1回あたりの妊娠率は数%まで低下します。
また、精子の数が少ない乏精子症の場合、人工授精を2〜3回を行っても妊娠しない場合、体外受精をおすすめすることもあります。
ただし、性交障害であったり、フーナー検査の結果が不良など、原因が明らかな場合は、人工授精を6回以上続けることもあります。
人工授精 何回
妊娠率を教えて!妊娠まで何回が目安で、 体外受精のタイミングは?
35歳未満の原因不明の不妊の場合、一般的に人工授精の回数は5〜6回が目安です。
人工授精の妊娠率は、6回までに 90 %の方が妊娠します。
つまり、人工授精を6回以上行っても妊娠率は上がらず、累積妊娠率は横ばいの状態になります。
人工授精を5〜6回行っても妊娠にいたらない場合、卵子のピックアップ障害、受精障害などの可能性が考えられ、体外受精のお話をします。
特に当院では、 38 歳以上の場合は人工授精を1〜2回行った後、体外受精にステップアップするのもひとつの選択と考えています。
ただし、体外受精にステップアップするかどうかの最終的な判断は、ご夫婦それぞれのご希望やお考えによると思います。
実際に体外受精を検討することになった場合、本当にステップアップするかどうかで迷われたり、ご主人とのコミュニケーションがうまくとれないことが理由で決断できなかったりと、さまざまな悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。
当院では、ご夫婦まじえてのお話し合いをはじめ、体外受精のオープンセミナーの開催、さらに毎週土曜日に生殖医療カウンセラーによる不妊相談を行っています。
このような機会を多くもうけ、ご夫婦で納得のいく選択をしていただきたいと思います。
人工授精 排卵
人工授精を行う日程は どのように決めますか?
基礎体温、尿ホルモン検査、超音波検査で排卵日を予測し、排卵日の直前、または当日に人工授精を行います。
卵子の生存は排卵後 1 日、精子の生存は 1 〜2日といわれています。
排卵日を 1 日過ぎると、治療はキャンセルにしています。
そのためにも、正確な排卵日の予測が欠かせません。
基礎体温では、低温相から高温相に変わる境目で、体温が急上昇する時が排卵の目安になります。
この日を含めて1〜2日の間に排卵が起こります。
尿ホルモン検査では、脳下垂体から分泌されるLH(黄体化ホルモン)を検出します。
LHが大量に分泌されるLHサージが始まると、半日〜 1 日で排卵が起こります。
正確な排卵日の測定が難しい自然排卵の場合など、H C G注射で人工的に排卵誘発をうながすことがあります。
H C G注射を使用すると 36 〜 40 時間で排卵が起こるので、注射後 1 日目に人工授精を行います。
査で卵胞の大きさを計測し、卵胞の直径が18 〜 20 ㎜に成長した頃が目安です。
尿ホルモン検査は、LHの検出精度が 70 %とやや正確性に欠けるため、基礎体温と超音波検査を併用して、確実な排卵日を予測することが大切です。
人工授精 出血
人工授精後に出血や腹痛が 起きることはありますか?
人工授精は、採取した精子を専用のチューブを使って子宮の奥深くに注入することで、卵子と精子が出会えるようサポートする治療法です。
その際、痛みを感じることはほとんどありません。
ただ、挿入する時に、チューブの先端部分が子宮の入り口の粘膜に当たり、刺激することで多少出血することがあります。
はじめて人工授精をされる方は不安もあると思いますが、気にするほどではありません。
また、当院で腹痛をうったえる方はほとんどいらっしゃいません。
ひと昔前の人工授精は、採取した精子の一部をそのまま子宮に挿入する直接的な方法で行われていました。
そのため、精液に含まれる成分が子宮を刺激し、腹部に痛みをともなうことがありました。
さらに、精液に混入した細菌や炎症物質(プロスタグランジン)などが子宮や卵管に入り、炎症を引き起こす可能性もありました。
近年の人工授精は、遠心分離機で洗浄・濃縮した精液を使用しているので、刺激する成分や細菌による腹痛はほとんどなくなっています。
もしかして、人工授精用のチューブが何らかの刺激になり、腹痛を感じる可能性はあるのかもしれません。
感染予防のため、抗生物質を処方している病院もあります。