治療スケジュールはどのように立てればいいですか?

20代や30代と比べ、40代になるとどれくらい治療を急がなければいけ ないのでしょうか。

また、その治療内容も変わってくるのか、 とくおかレディースクリニックの徳岡晋先生にお話を伺いました。

 

徳岡 晋 先生 防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中央病 院産婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学し、学位(医 学博士)取得。2005 年、とくおかレディースクリニックを開設。 同クリニックでは、毎月、第2土曜日の午後3時からと、第4 水曜日の午後7時 30 分からの2回、不妊治療勉強会を無料開催。 ご夫婦一緒に早い段階で参加して、治療の知識を身につけてい ただけるよう、おすすめしています。

タイミング治療は1回程度、 人工授精は 1~2回が目安

40代で不妊治療をスタートす る場合、一番重要なポイントに なってくるのが治療のスピード アップです。

この年代になると卵巣機能がぐっと低下してくるの で、若い方と同様に時間をかけて 治療していくのはなかなか難し く、のんびりしていたら逆に妊娠 のチャンスを逃してしまうかも しれません。

どの程度のスピード感が求め られるのか、高齢になって初めて 病院を訪れたケースでお話しし ていきましょう。

まず、最初に行う治療前のスク リーニング検査は1カ月ほどあれば終了します。

そして、一般不 妊治療から臨みたいという方は タイミング療法からスタートす るわけですが、ヒューナーテスト の結果に問題がない場合、 40 代の 方だったら1回程度。

それで結 果が出なければ、早めの人工授精 をおすすめしますね。

ヒューナー テストで異常が認められたら、年 齢にかかわらず、人工授精からの 治療となります。

人工授精は、当院の場合、 20 ~30 代の方だと3、4回程度。

40 代 以上になると1、2回くらいトラ イして、結果が出なければステッ プアップをご提案しています。

ま た、AMH(抗ミュラー管ホルモ ン)の値が年齢よりも下がってい るようなら、人工授精のステップ を飛ばして体外受精に臨むケー スもあります。

AMH値が1.5ng/ml を切ったら 治療のスピードアップ を考えて

MHについてですが、当院 では不妊治療を始める前、すべ ての患者さんにこの検査を受け ていただいています。

AMHの 値は残りの卵胞数を示している といわれ、現在の卵巣予備能を 測ることができる。

つまり、A MH値がわかれば、治療の方針やスピードの目安をつけることが できるんですね。

38 歳だとだいたい 2.5ng / ml を切 る値になり、できるだけ早めに治 療を進めていくようにお話しして います。

実年齢が 32 歳でも、 38 歳 相当の値であれば同様にスピード アップをはかるべきだと思ってい ますね。

40 代でもAMH値が 38 歳未満と いう方もいらっしゃいますが、通 常、 40 歳だと2 ng / ml を切ってきま す。

42 歳以上になると 1.5ng / ml 以 下、 44 歳になると1 ng / ml 以下に。

40 代の不妊治療を考えた場合、1.5ng / ml というのが一つの目安に なると思うんですね。

その時点で 人工授精を何回するのか、それと も人工授精を飛ばして体外受精 に進むのか。

卵管がしっかり通っ ていて、抗精子抗体もないとい う場合は人工授精でも治療は可 能かもしれませんが、卵子の数 が減ってしまえば受精卵の数も 減ってしまいます。

そこの問題を 高齢の方、もしくは卵巣年齢が高 くなってきている方はきちんと 理解していただきたいですね。

数値だけで「すぐに体外受精 にステップアップしてください」 といっても納得できない方もい るかもしれません。

特に「そんな 人為的な治療はできない」という 男性はまだまだ多いと思います。

ご夫婦の意見が合わないまま時 間だけが無駄に過ぎていったら、 のちに後悔することになるかも しれないので、まずはご夫婦で不 妊治療や体外受精に関する勉強 会に参加することが大切。

なるべく早く治療や年齢による影響に ついて理解し、スムーズに進んで いただきたいと思います。

着床率を上げるために 凍結胚移植の選択を

体外受精に進んで採卵するため には卵巣刺激を行いますが、高齢 の方は強く刺激してもそれほどた くさん卵子が採れないことが多い ので、マイルドな刺激になるとい うのが一般的だと思います。

当院は原則、刺激周期で採卵し ているので、 40 代の方でも自然周 期を選択するということはほと んどありません。

高齢の方の場合 は注射+クロミッドⓇ、いわゆる 低刺激法を実施することが多い のですが、注射の量はそれほど多 く使えません。

よりマイルドな刺 激で2、3個の卵子を確保するこ とを目指していきます。

AMH値 がかなり低下してきて、患者さんからも「早めに採っておきたい」 というご希望があれば移植は少 し待って、とにかく先になるべく 多くの卵子を確保し、凍結してお く場合もあります。

移植については、当院では年齢 にかかわらず、凍結融解胚で移植 することが多いですね。

採卵した 周期はホルモンにさらされてい ます。

あまり良い状態でない時に 戻すより、受精卵を凍結して、子 宮内膜が整った時に移植したほ うが望ましい。

高齢の方でもちゃ んと卵子が確保されているので あれば移植をあせることはなく、 少しでも着床しやすい方法で戻 したほうがいいと思います。

新鮮 胚移植と比べて1カ月程度遅れ るだけですから、日程的にはそれ ほど大きく変わりません。

「早く早く!」といわれてやけに なってしまうのではなく、知る べきことはきちんと知って納得 したうえで、治療のスピードアッ プをはかっていただきたいと思 います。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。