採卵の刺激方法について

44歳での排卵誘発。

高刺激と低刺激では どちらが効果的ですか?

水澤 友利 先生 東京女子医科大学卒業、慶應義塾大学医学部産婦人科教室入局。 慶應義塾大学にて不妊治療のトレーニングを受け、その後、東京の荻 窪病院で一般不妊治療および高度生殖医療に従事。2009年7月よ り英ウィメンズクリニックに勤務。2012年8月より内分泌・代謝部門部 長に就任。先生の趣味のひとつが海外旅行。昨今の事情で残念ながら 今夏は見送ったそうですが、いま一番行きたい国はイギリス。
匿名さん(44歳)からの相談 Q.海外で治療歴があり、高刺激で4個胚盤胞まで進みましたが、正常卵はありま せんでした。引き替え、低刺激で2個胚盤胞まで進み、正常卵が採れた場合、 これからも低刺激を続けたほうが良いと思われますか? あと2〜3回だけトラ イしてみようと思っていますので、より効果的な方法を教えてください。

それぞれのメリット・デメリット

高刺激で 10 個以上採卵できる卵巣が若い 40 代には、高刺激と低刺激のどちらが良いと思われますか。
水澤先生 44 歳で卵がたくさん採れるのは、 妊娠率を高めるうえで良いことです。
ただ何を目的にするかによって、それぞれのメリット・デメリットがあると思います。
目的とは、たとえば採卵後に移植をするのか、しないのか。
新鮮胚移植の場合は、低刺激が良い場合も。
高刺激には卵巣過剰刺激症候群のリスクが伴い、すぐに移植ができない可能性もあるからです。
一方、凍結胚移植の場合は、受精卵を凍結することが受精卵にとってデメリットになることもあります。
凍結融解胚移植は時間とコストがかかります。
これらをトータルに考えて患者様がどう選択するのかによると思います。
高刺激と低刺激では、同じ人でも採れる卵の質は変わるのでしょうか。
水澤先生 卵子の質が変わる方もいれば、ほとんど変わらない方もいらっしゃるという印象です。
最近、アロマターゼ阻害剤を使うと、小さな卵胞から成熟卵が採りやすい(クロミフェンと比べて)、新鮮胚移植の成績が良い、成熟卵の数が増えるとの報告もありますが、必ずしもどの刺激法が良いという確証はありません。
たまたまその刺激法が合っていたか、あるいは合っていなかったことが十分あると思います。

提案と自分の意志

自分に合った刺激法はあるのでしょうか。
水澤先生 前述の通り、何を目的にするかによると思います。
たとえば、卵巣機能が正常の若い方の場合は採卵数が多い傾向にあり、妊娠率やコスト面を考えると、一度に採卵して凍結融解胚移植を行うのが良いと思います。
一方、このような治療を経験したうえで、次の治療をされる場合、前回と同じ方法が一概に良いとは言えません。
その方の背景や何を目的にするかによって、選択肢は千差万別です。
質問者の方は、今回は4個の胚盤胞がたま たま異常だったという可能性も十分考えられます。
同様に低刺激を行って正常卵が採れる保障はどこにもありません。
それでも低刺激を選ばれる場合、たとえば治療が楽だとか、すぐに移植ができるなど、ご自分で良かったと思う点が、主治医の提案と合っていることが大切だと思います。
そこをよく話し合って決められるとよいでしょう。

移植後の過ごし方

移植後の過ごし方について教えてください。
水澤先生 妊娠は暮らしのなかでするものです。
適度に運動したり、ゆっくり過ごすなり、ふだんの暮らし方のなかで、心地よいと感じる状態を保つことです。
治療がうまくいかない方のお話を聞きますと、重い物を持ったからとか、子どもの運動会で走ったからと理由をおっしゃいます。
そういった生活のなかで起こりうることをネガティブに捉えないこと。
ご自分にとってベストな過ごし方をされるのが一番です。

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