「IVF勉強会」レポート

~妊娠の予備知識から培養室での作業、 不妊症の治療法について~

とくおかレディースクリニックでは、毎月1回第2土曜日に「IVF勉強会」を無料で開催。

主にこれから体外受精や顕微授精を考えているご夫婦に向けたもので、徳岡先生や培養士が動画や画像を紹介しながら、不妊の原因や治療法についてわかりやすく説明していきます。

毎回、患者さんに大変好評なこの勉強会にジネコスタッフも参加。

その様子を詳しくレポートします。

人工授精から、治療を どう進めていくかがテーマに

3月7日に開催されたとくおかレディースクリニック の「IVF勉強会」は、今回で106回目。土曜日の午 後ということもあって、ご夫婦で来院されるケースも多 く、 33 組・ 59 名の方が参加。

会場であるクリニックの待 合室は、補助イスが必要になるくらい多くの患者さんで 埋め尽くされました。

参加された方たちの内訳は、すでに体外受精にステッ プアップしているご夫婦が3組、まだ人工授精にも進ん でいませんが、卵巣の予備能を示すAMH(抗ミュラー 管ホルモン)の値が悪かったり、抗精子抗体がプラス、 子宮筋腫が大きいなど合併症を持っていらっしゃる方々 が8組、現在、人工授精を受けられているのが 33 組中 22 組とのこと。

この勉強会のメインテーマとしては、人工授精から治療をどうステップアップしていくか、という ことになるようです。

これまでは2部構成で会を進行してきましたが、今回 は少しバージョンアップして、徳岡先生、体外受精コー ディネーター、培養室チーフからのお話の3部構成に。

休憩を含め、約1時間 30 分の講義という聴き応えのある 勉強会でした。

早くからの治療→いい刺激で なるべく多く卵子を採っていく

最初は、徳岡先生から「妊娠のための予備知識」につい てお話がありました。

どうやって妊娠は成立するのか、そして、なぜ妊娠でき ないのかを、動画などを使って詳しく説明。

不妊の原因には抗精子抗体や子宮内膜症、子宮筋腫、ホルモンの 異常、男性の精子の異常などさまざまな原因が考え られますが、なかでも徳岡先生が強調されていたの は「年齢因子」。

年齢が高くなることで卵子の数が 減り、質も低下し、妊娠率が下がってしまうという ことです。

「勉強やスポーツや趣味などは何歳から始めても遅 すぎるということはありませんが、不妊治療は違い ます。

治療を遅く始めれば始めるほど、それが卵の 数や質に悪い影響を及ぼしていきます」(徳岡先生)

同クリニックは「積極的な治療を行い、1年以内 での妊娠を目指す」という理念を持っています。

だ らだらとではなく、スピーディに治療を進めていく ために必要なのが、AMHの値を知ることだとか。

そこで、動画でこのホルモンについて詳しく解 説。

AMHは卵子からつくり出されるホルモンの一 種で、その量を計測することで卵子が体内にどれく らい残っているかを推測でき、妊娠の可能性をはか るバロメーターになるといいます。

つまり、AMH の値が低ければ治療を急がなくてはいけないとい うこと。

ステップアップの目安にもなるものです。

同クリニックでは患者さん全員がこのホルモン を計測。

不妊治療はご夫婦二人で進めていく治療な ので、ご本人が知っているだけではなく、ご主人 の認知も必須。

徳岡先生から参加者しているご夫婦 に「奥さまのAMHの値を知っているご主人は?

そして、その数値が何歳相当に当たるかご存じです か?」と質問したところ、7名ほどの男性が挙手さ れました。

最後まで徳岡先生が強く語っていらっしゃった のは「早く治療を始めて、いい刺激をして、できる だけ多くの卵子を採っていく」ということ。

奥さま だけではなく、ご主人もメモをとりながら、熱心に 先生のお話に聞き入っていました。

培養室で行われていること、 そして体外受精について

休憩を挟んで第2部のお話は、培養室スタッフで 体外受精コーディネーターでもある大木美奈さんから。ここでは、ふだん患者さんがなかなか見るこ とのできない、培養室の紹介をされました。

検卵や 精液の調整、体外受精・顕微授精、受精確認、胚の 観察、受精卵の凍結など、培養室で作業することを 画像や動画を使いながらわかりやすく説明。

これま であまり情報に触れることはなかったのか、特に男 性の参加者は興味深く見ていらっしゃいました。

最後の第3部では培養士チーフの畠山将太さん が、1部の徳岡先生の復習の意味も兼ねてタイミン グ法、人工授精、体外受精の方法、治療について詳 しく講義されました。

体外受精についてはより時間 を割き、体外受精に進んだほうが良い理由や、年齢 や治療別の妊娠率など具体的なデータも紹介。

講義が終わった後は男性参加者からも積極的に 質問が上がり、「採卵回数の限界は?」「受精卵の異 常は見てわかるのか?」などの問いに、培養士自ら 丁寧に回答されていました。

基本的な情報、そして培養士からの専門的な解 説、アドバイスなど、非常に有意義で充実した勉強 会で、終了後はその場でしばらく話し合っているご 夫婦の姿も多く見られました。

 

徳岡 晋 先生 防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中央病院産 婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学し、学位(医学博 士)取得。2005年、とくおかレディースクリニックを開設。
培養室スタッフ・体外受精コーディネーター 大木 美奈 さん 勉強会の第2部で培養室についてわかりやすく 講義された大木さんは、日頃から、患者さんの 声を直接聞く機会も多いとか。「不妊治療は一歩 先へ踏み込むのがなかなか難しいと思いますが、 一人で悩んでいては先に進めず、時間が限られ てきてしまうので、迷ったら気軽にスタッフに 相談したり、勉強会にご参加ください」
培養士チーフ 畠山 将太 さん 勤務して8年ほどになる畠山さんは徳岡先生や患 者さんからの信頼も厚く、培養室を統括するチー フとして働いています。「不妊治療は大変なことも たくさんあると思いますが、息抜きもしながら、 頑張る時には頑張るという気持ちで可能性を信じ て臨んでいただきたいですね。ラボも同じ気持ち で責任を持って卵をお預かりしています」
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。