医師の方針に不安があります

顕微授精3回目判定待ち。

医師への不信感が募り、 転院も視野に入れています

宇津宮 隆史 先生 Q.熊本大学医学部卒業。1988年九州大学生体防御医学研究所講 師、1989年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、 1992 年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取 り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は7,000 件を超える。 O 型・おひつじ座。お正月に旅行先でトローリングに挑戦し、2m・ 85kg のカジキマグロを釣り上げた宇津宮先生。「はるか彼方で跳ね るカジキの大きさとその距離にびっくり。40 分のファイトで、釣り上げ た瞬間の興奮は今でも忘れられません」。
みーすけさん(34歳)からの相談 Q.不妊原因は無精子症で、顕微授精3回目判定待ちです。すべてホルモン補充周 期にて、胚盤胞移植。今回D18に初シート法D20に拡張前の胚盤胞移植をし ました。ホルモン補充はD3からですが、移植まで一度も採血なし。外から入れ ているから測っても意味がないと断られ、移植もエコーなしで戻されます。あまり にも、ほかの病院との違いに戸惑います。しかも、前医で潜在性高プロラクチン血症といわれたという私の言葉だけで検査せず、カバサールⓇ処方、同じく検査な しにバファリンⓇ、メドロール Ⓡも前回移植から処方されています。検査もないのに、 薬が増えて結果は出ないし、不安でたまりません。地方在住のため、今ですら通 院に車で往復2時間。転院も視野に入れようかと。このような診察、移植などを どう思われますか? 問題ないのでしょうか。

ホルモン補充は方針が分かれる

担当医の方針に不安があり、転院も視野に入れているそうですが……。
宇津宮先生 ホルモン補充療法(HRT)から体外受精までの間に一度も採血がないということですが、これは医師によって方針が分かれます。
HRTには、飲み薬、貼り薬、塗り薬、そして今後、使用するクリニックが増えるだろうと予想される腟剤があります。
たとえば、腟剤を使うと成分のほとんどが子宮に留まるため、血液を計測してもあまり意味がなく、飲む、貼る、塗る場合も、同じようなことがいえます。
血液の数値は参考程度にしかなりませんから、検査をしないからといっても、何ら不思議ではありません。

治療方針を勝手に作ることはない

潜在性高プロラクチン血症の検査をしないまま、薬が増えたことについては?
宇津宮先生 過去に潜在性高プロラクチン血症を指摘され、現担当医が検査せずにカ バサールⓇやバファリンⓇ 、メドロールⓇを処方したため不信感が募っているとのことですが、果たしてそうなのでしょうか?
治療の初期段階には必ず採血し、基本的なホルモンの数値や感染症等も含めて、必要な検査はすべて行います。
みーすけさんの場合も、転院後にひと通りの検査は行っているはずですし、潜在性高プロラクチン 血症で、カバサールⓇを服用していることを前提に測定しているはずなので、そのうえでの数値が正常であれば同じ処方は続きます。
また、医師ごとの認識にもよりますが、高プロラクチン血症とはいえ潜在性なので、私なら薬を処方しない場合もあります。
いずれにしても医師が患者さんの言葉だけで治療方針を立てたり、薬を処方するということは絶対にありませんから、安心してください。

治療アプローチは人による

担当医から説明を受けていれば、みーすけさんがここまで心配することはなかったかもしれませんね。では、今後の治療のアドバイスをお願いします。
宇津宮先生 ご主人の精子の運動率や数などに少々問題はあるかもしれませんが、顕微授精できる精子が採れているので、不妊の原因は無精子症ではありません。
また、胚盤胞までたどり着いているのですから、状態も決して悪くありません。
そこで、まずは着床環境を再チェックしてみてはいかがでしょう。
治療初期の頃には気に留めなかった子宮筋腫が、時間とともに大きくなっていたり、新しい筋腫が増えている可能性もありますから。
転院を考えるよりも、疑問に思ったことは質問したり、ご自身の考えを伝えるなど、今まで以上に担当医とコンタクトを取ることを心掛けてみてはいかがですか?
不妊治療には、全員同じというものはありません。
また、巷にはさまざまな情報があふれていますが、すべてが正しいわけではありませんし、皆が皆、同じ治療法やアプローチができるわけではありません。
そのことを理解し、担当医を信頼することから始めて、前向きに治療を続けていただきたいですね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。