子宮内膜症?2人目の準備について

子宮内膜症の疑いがあり 2 人目不妊の治療の前に どうにかすべき?

伊藤 哲 先生 順天堂大学医学部、同大学院修了。順天堂大学医学部産婦人科学講 師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、1999年あいウイメンズクリ ニック開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。自らもギターを弾く伊藤先 生。今年初め、エリック・クラプトンが来日した際にはアリーナ席で鑑賞。も う1つの趣味であるSL撮影では、蒸気機関車を追いかけて日帰りで日本 全国へ。気分転換があるからこそ、診察に集中できるとか。
あや1981さん(32歳)からの相談 Q.昨年、8回目のIVFで妊娠し、帝王切開で長女を出産。その際、担当医から「子宮内膜症があったよ。大変だったでしょう」と言われました。確かに毎月、月経痛がひど く、妊娠しづらかったのは子宮内膜症だったからなのか、と納得しました。 出産後、半年で月経が再開しましたが、痛みはほとんどなくなりました。念のため、同 じ病院の婦人科で診てもらったところ、超音波、血液検査ともに異常なしで、「開腹 した時に内膜症のように見える場合がある。卵巣の腫れも癒着もないようなので治 療はしなくてよい」とのこと。開腹した先生の話と温度差があり、戸惑っています。本 当にこのまま子宮内膜症の治療をしなくてもいいのでしょうか? 治療をすれば改 善しますか? ピルを処方してもらったほうがいいのでしょうか。1年後を目安に2 人目の子どもも欲しいと考えています。

子宮卵管造影検査を受けてみる

帝王切開で開腹した際に、程度の重い子宮内膜症があるというようなことを指摘されたようですが。
伊藤先生 その後、別の先生が行った超音波検査では、卵巣の腫れや癒着は認められなかったということですね。
開腹された先生がどのようなニュアンスで言われたのかわかりませんが、お腹を開いて確認されたということはおそらく子宮内膜症の所見があったのだろうと思います。
「癒着のように見えるところはない」というのはあくまでも超音波上の診断で、確定的なものではありません。
子宮内膜症は、腹腔鏡検査が一番の確定診断法となりますが、現在、症状がほとんどないということであれば、そこまでする必要はないと思います。
ご心配なら、その前の段階の検査として、子宮卵管造影検査を受けてみてはどうでしょうか。
当院では、第1子を帝王切開で出産し、2 人目不妊の治療を受けるという方には原則、子宮卵管造影検査を受けていただいています。
子宮内膜症の疑いのない方でも、開腹手術をした際に卵管周辺の癒着を起こす可能性はゼロではありませんので。

出産後に安定することもある

もし、子宮内膜症だった場合、治療で改善するのですか?
伊藤先生 子宮内膜症は月経が起こることで悪化していくので、出産後しばらくは症状が治まり、そのまま安定した状態を保つ方もいらっしゃいます。
しかし、月経が再開して、病変があればまた大きくなったり、卵巣が腫れたりと再発することも。
個人差はありますが、子宮内膜症は月経がある限り再発の可能性があり、閉経まで付き合わなければならない病気なんですね。
この方がおっしゃるように、確かに低用量ピルを投与すると痛みは治まり、卵巣嚢腫なども小さくなることがあります。
症状が強い方であれば、点鼻薬などを使って完全に生理を止めてしまうという治療も。
しかし、もしお子さんに授乳をされているのであれば、ピルなどのホルモン系の薬を使うのは難しいです。
母乳への影響が心配されますから。

多少強めの卵巣刺激法で

2人目のお子さんも考えられているとのこと。今後、どのような形で治療をしていったらよいのでしょうか。
伊藤先生 授乳中だと不妊治療も難しいと思います。今は症状が強くないということですから、あと半年くらいはそのまま様子を見られてはいかがでしょうか。
心配なら、その間に子宮卵管造影検査を受けて癒着や嚢腫がないか調べておく。
子宮内膜症は時間が経つとどんどん悪化していきますから、時間をかけないことが大切です。
次のお子さんを望まれているようなので、授乳が終わったらなるべく早く不妊治療を開始し、短期集中で頑張ることをおすすめしますね。
次回も体外受精に挑戦されるのなら、多少強めの卵巣刺激法で確率を高く、早めに妊娠まで持っていくようにされたほうがいいと思います。

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