治療歴6年、40歳です。卵巣機能低下といわれ、どうしていいかわかりません

波多野 久昭 先生 日本医科大学卒業。ハンブルク大学産婦人科学教室留学 後、日本医科大学付属病院産婦人科学教室講師、飯田 市立病院産科科長を経て、2005年ノア・ウィメンズクリ ニックを開院。A型・やぎ座。先日、クリニック内で患者 さんのお茶会を開催。患者さん同士で交流したり、悩み を共有できると好評で、「今後も少人数の集まりで続けて いきたい」と先生。
舞子さん(40歳) Q.34歳から赤ちゃん待ちです。最初の病院では卵管造影検査、血液検査 をして問題なし。すぐに妊娠できると言われ2年間タイミング療法を試 みました。その後転院し、人工授精で4回陰性、体外受精1回目は採 卵3個で1個凍結して移植するも化学流産。2回目は採卵した2 個と も異常受精でした。さらに転院し、1回目の体外受精で2個採卵し、凍 結胚盤胞を移植しましたが陰性。排卵誘発はセロフェンⓇ、クロミッドⓇ、 マーべロンⓇ、アンタゴニスト、スプレキュアⓇで行いました。もうすぐ残 りの胚を移植予定です。AMHの値はわかりませんが、今の病院で卵巣 機能低下と言われ、もうどうしたらよいかわからなくなっています。

現状の治療を考える

舞子さんは毎回採卵数が2〜3個で、そのうち1〜2個を凍結して移植されていますが、陰性ということです。
波多野先生 排卵誘発は比較的マイルドな刺激で、アンタゴニスト法に飲み薬が入っていますね。
どちらかというと飲み薬が主体で、HMGとアンタゴニストを何回か打っているという形ですね。
詳しいことは書かれていないのでわかりませんが、この刺激で2〜3個採れていれば、数としては極端に少ないということはないですね。
基本的には今のやり方でいいと思います。
卵子の質という点でも、2回目の採卵ではうまくいかなかったようですが、他は凍結できるところまで発育していますから、確率的には悪くないと思います。

ホルモン値全体から考える

卵巣機能が低下しているという説明を受けられたそうですが。
波多野先生 AMHの値がわからないと書かれているので測っていないのかもしれませんが、卵巣機能が悪いということでしたら、FSH値が上がっているのかもしれません。
月経時のFSHは8くらいまでが正常といわれていますから、これが少し高いと卵巣機能が悪いと考えられます。
もし値が 10 くらいなら気にすることはありませんが、 20 近くなっていると、排卵誘発の刺激を強くして数を多く採卵するなど、少し急いだほうがいいかもしれません。
当クリニックでは、卵巣機能がよくない方や、受精率が悪かったり胚盤胞まで発育しない方にDHEAをご紹介することがあります。
これは、年齢が高くなった人の卵巣機能低下を改善させる働きがあるといわれているサプリメントです。
これを飲んで卵子の質がよくなったという報告もあります。
確実なものではありませんが、あくまでも治療の補助的なものとして、こういったサプリメントをプラスしてみるのもいいかもしれませんね。

年齢と治療を両輪に考える

先生なら舞子さんに今後どのような治療をされますか?
波多野先生 体外受精をしている方のなかには、卵子が採れなかったり、受精しなかったりという方がたくさんいらっしゃいます。
舞子さんは必ず卵子が採れていますし、受精卵になり凍結までできていますから、決して悪い状況ということはないと思います。
化学流産という結果にはなりましたが、妊娠した実績もありますしね。
着床のほうも特に問題がなく、大丈夫かなと思います。
治療歴は6年と長いですが、体外受精を始めてからは2年ですよね。
年齢も 40 歳ですから、採卵ができるここ1〜2年に頑張っていただければチャンスが巡ってくるのではないかと思います。
採れる時にできるだけいい卵子を採っておいて、状況のいい時に移植をするという形を続けていかれるといいのではないでしょうか。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。