高刺激で良性卵子が減少?次の誘発方法と調整方法で悩んでいます

miyuさん(40歳)Q.AMH:9、Day3のFSH:10、E2:80です。月経は量、日数ともに大変少ないです。 過去に子宮外妊娠しています。これまでの誘発法は自然周期(クロミッド®)×6回、 先日300 単位×8日+アンタゴニスト→スプレキュア® の高刺激で採卵し体外受 精しましたが、採卵数5 個すべてが未成熟でした。連日300 単位の注射というの は一般的なのでしょうか? 今回の高刺激で今後、良性卵子が採れなくなってしま うのではと不安でなりません……。 次に体外受精する場合、その前に何か調整する(高刺激の影響を消す)必要があ るのでしょうか? ピルを使うと卵胞の減少も考えられるとのことで、どのように調 整するのがいいでしょうか。

30代後半から急激な卵子の老化と減少

今後の排卵誘発で悩んでいます。
大野先生 血液検査では、 40 歳という実年齢相当の卵巣年齢ですね。
月経の量や日数が少ないということですが、miyuさんの月経周期に関する情報をもう少し知りたいところです。
月経周期が順調であれば、年齢から考慮して、排卵誘発はやはり最小限にすべきだと思いますね。
クロミフェン周期も6回経験しているようですが。
大野先生 クロミフェン周期での体外受精では良好卵子が得られたのでしょうか?
「クロミフェン周期でうまくいかなかったから、高刺激で試してみましょう」という発想は、妊娠しなかった場合には大いに問題があり、miyuさんの危惧している卵子の質の低下も予想されます。
もしかしたら、高刺激後にFSHが上昇しているのかもしれませんね。
というのも、年齢が高い方の場合、排卵誘発を強くすると、得られる卵子は増えることがあっても、未熟、変性のものが多くなります。
また卵子が得られない空胞の確率も上昇します。
これは、女性の生涯において胎児期にできた卵子は増えることはなく、加齢にともなって減少し、特に 30 代後半からは急激な卵子の老化と減少が起こるためです。

ピルでリセット

miyuさんは、今回の高刺激でさらに良性卵子が採れなくなるのではと不安に思っているようです。
大野先生 300単位×8日というのはアンタゴニスト法としては多量というわけではありません。
ただ、miyuさんの場合、高刺激はうまくいかないことがわかりました。
しかし、FSHの上昇は軽度なので、良性卵子は少ないものの残っている可能性は十分にあります。
ピルを使うことに不安も感じているようですが、リセットする意味でピルを1〜2周期程度使用するのは問題ないと思います。
月経周期が順調であれば、採卵後、ピルを内服し、月経中に卵巣が腫れていなければ、刺激なしまたは低刺激で体外受精も可能ですよ。

凍結融解胚移植

では、次はやはり低刺激で?
大野先生 そうですね。
クロミフェンまたはレトロゾール(フェマーラⓇ)を使った低刺激、または自然に選別された卵子を採卵する完全自然周期での体外受精をすすめます。
当院でも 40 歳以上の方はすべて低刺激にて採卵し、平成 22 年度は 13 の妊娠例があります。
その妊娠例のほとんどは、いったん凍結してからの融解胚移植です。
理由は、ホルモン剤によって子宮内膜を着床しやすいようふかふかにし、さらに胚の成長と子宮の受け入れ具合を一致させることができるからです。
miyuさんも一度、主治医と相談してみてはいかがでしょうか。
大野 元 先生  岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部 大学院修了。ブリティッシュ・コロンビ ア大学(カナダ)研究員、岐阜大学助手、 IVF大阪クリニックを経て、1999 年 8 月開業。専門は周産期と不妊で、体外 受精のエキスパート。O 型・おうし座。 大学ラグビーOBの大野先生。昨年の ワールドカップ観戦は行けなかったもの の、お土産にもらったという現地チーム のラグビーシャツがよく似合っています。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。