排卵がなくなってしまった!体外受精時の誘発法が原因?次はやはり自然周期で?

生田 克夫 先生  名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学産科婦人科学教室助 教授、名古屋市立大学看護学部教授などの経歴を重ねたが、不妊に 悩む名古屋の方たちの役に立ちたいという思いで、教育者の立場を 辞して独立。地元・名古屋の中心部、栄に開院し、1986 年から体 外受精の現場を歩いてきた経験と穏やかな人柄で、数多くの患者さ んを妊娠に導く。急な患者さんや診療時間外の排卵などにも対応す るため、先生の携帯電話は24 時間 ON。「患者さんに子どもが生ま れる喜び、それがあるから、やりがいがあるんですね」と笑う。
ゆうさん(40歳)Q.32歳で1人目を出産。2人目不妊で、昨年7月に初の体外受精をしました。 妊娠はしませんでしたが、体調が整うまで待って再挑戦します。ただ体外 受精後、今まで二相に分かれていた基礎体温が乱れて高温期がまったくな くなってしまいました。ショート法で採卵して黄体期にホルモン注射しまし たが、この方法が合わなかったのではと不安です。 刺激を与えても、卵巣年齢が高く(AMH:0)、卵子が1~2 個しか採れ ない場合、自然周期の採卵のほうがよかったのでしょうか。 このままの状態でまた体外受精できるのか心配です。

刺激で基礎体温が乱れる?

ゆうさんは、体外受精時の刺激が原因で、基礎体温が乱れてしまったのではないかと心配しています。
生田先生 そうですね、高温期が乱れたのは治療の影響だと思います。
ショート法は、GnRHスプレーと注射を同時に使って卵子を一気に大きくしていく方法なので、かなり強く卵巣を刺激されたのだと思います。
さらに一番の問題点は、卵巣年齢が高い、つまり卵巣の機能がもうかなり弱く、衰えているということです。
そこへ一気に刺激をしても、卵子は1〜2個しか膨らまなかったでしょうし、成長しなかったでしょう。
そしてその後も卵巣が疲れてしまい、生理不順になってしまっている、ということだと思います。
高温期がないということは、排卵がないということですね。

年齢+ホルモン値⇒治療方針

このままの状態で体外受精ができるのでしょうか?
生田先生 相談内容には「体調が整うまで待って」とありますが、排卵がきちんと始まるまで待ってという意味であれば、おすすめしません。
ゆうさんは年齢が 40 歳でAMHが0と低く、おそらくFSHも高いのではないでしょうか。
そういった場合は、このまま放っておいても卵巣機能がよくなることはありませんから、時間を無駄にしてしまいます。
少し休むのであれば、1〜2カ月間ホルモン剤を投与して、卵巣への刺激を抑えながら休ませるのがいいでしょう。
人工的なホルモン周期をつくっておいて、満を持して、できるだけ早く次を迎えるのです。

自然周期も種類がある

自然周期の採卵という選択は?
生田先生 自然周期というのがどこまでの方法を指すのかわかりませんが、たとえば、一切刺激を加えない本当の完全自然周期という方法もあります。
これはまったく自然の排卵周期に、1個膨らむかどうかの卵子を採るという方法ですから、まず採れるかどうかがわからないという問題があります。
確率的にはかなり低くなります。
ですから、これは最後の手段です。
では、次に考えられる一般的な方法は、クロミッドⓇとHMG製剤による排卵誘発です。
しかし、なかにはクロミッドⓇが合わない方もいます。
その場合は、クロミッドⓇの代わりにフェマーラⓇを使います。
フェマーラⓇは、基本的には保険適用は乳がんの再発予防の薬ですが、排卵誘発効果があり、2000年くらいから不妊治療でも使用されています。
この薬は、クロミッドⓇの副作用のように内膜が薄くなるということがありません。
ただ、新しい薬なので、まだ排卵誘発剤としての保険の適用はありません。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。