排卵誘発の方法を変えたのに卵胞が育ちません

伊藤 哲 先生 順天堂大学医学部、同大学院修了。順天堂大学 医学部産婦人科学講師、国際親善総合病院産婦 人科医長を経て、1999 年あいウイメンズクリニッ ク開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。O 型・ おひつじ座。東日本大震災後、いろいろ考えるよ うになったという伊藤先生。「今までは電気も電話 も使えるのが普通と思っていましたが、震災後、改 めてそのありがたみを実感させられました」。
ミストさん(35歳)からの投稿 Q.治療歴半年でタイミング療法4回、今周期人工授精の予定です。これまでの治 療は生理5日目からセキソビットⓇの服用と途中HMG注射をし、経過をみて卵 胞が18㎜になったらHCG注射、の流れでした。今回、14日目の卵胞チェッ クで13㎜。いつもはHMG注射なのですが、「クロミッドⓇに変えてみましょう」 とのことで1日1錠5日間服用しました。本日18日目で内膜 5㎜、卵胞13㎜ と変化がなく、結局、HMGを150単位注射し、2日後にまた卵胞チェックで す。なぜ今回はクロミッドⓇ? このような治療方針でいいのでしょうか。毎回先 生が変わるうえ、患者さんも多いのでなかなか質問できません。

セキソビット?クロミッド?

ミストさんは、最初はセキソビットⓇ+HCGで排卵を促進。それをクロミッドⓇに変えるというのはどんな理由が考えられますか?
伊藤先生 セキソビットⓇもクロミッドⓇと同じ働きのある経口の排卵誘発剤ですが、クロミッドⓇより刺激がマイルドなんですね。
当院では最初からクロミッドⓇを使いますが、他院では子宮内膜があまり厚くならない方の場合は、セキソビットⓇを使うことがあるようです。
ただ、低刺激な分、排卵率は下がるので、セキソビットⓇで反応が悪ければ、クロミッドⓇを使うということになるかと思います。

HMG注射の活用

こちらのクリニックでは、卵胞が育ちにくい方の場合、まずクロミッドⓇを処方されるということですが、具体的にどのように使っていくのでしょうか。
伊藤先生 クロミッドⓇは生理の5日目から飲む薬です。
まず1日1錠で1周期様子をみて、卵胞がまったく育たないなど反応が悪い方は量を2錠に増やして様子をみます。
それでも反応しないという方は、クロミッドⓇを飲みながらHMG注射を併用、もしくは注射単独にしてしまうこともあります。
ミストさんの場合も、クロミッドⓇを服用後、HCG注射を追加されていますが……。
伊藤先生 子宮内膜が薄く、 18 日目で卵胞の大きさが 13 ㎜ということですから、やはり注射は必要でしょう。
ただ、打つ時期が少し遅い気がしますね。
クロミッドⓇを生理5日目から飲むようなら、注射は9日目くらいから打ったほうが卵巣の反応がよくなると思います。

注射時の過剰刺激対策

それでも卵胞の大きさに変化がないようだったら、注射単独ということになりますか?
伊藤先生 そうですね。
当院でしたら、生理の3日目からHMGもしくはFSHの注射を毎日打ち続ける方法をとります。
やはり、経口薬より注射のほうが妊娠率は高くなりますから。
その分、卵巣への刺激も強いので、卵巣過剰刺激などの副作用を超音波検査で注意深くチェックしながら、薬の量を調節していく必要があります。
毎回先生が変わり、不安に思われているようですが、もし疑問が生じたら、要点をまとめて質問されてみてはいかがでしょうか。
ミストさんは人工授精をするのは今回が初めてとのこと。
年齢的に時間はあるので、方法を変えてまだ4〜5周期は人工授精にチャレンジされてもいいかと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。