チームで支えることが大切

神谷 博文 先生 札幌医科大学卒業。同大 学産婦人科学講座、第一 病理学講座に入局後、斗 南病院にて産婦人科科長を 10 年間務める。1998 年、 神谷レディースクリニックを 開業。年に一度、スタッフ 全員での食事会を開催。お 互いの顔が見え、話がしや すいよう、全員が座れる大 テーブルがあることがお店 選びの絶対条件だとか。

最初に情報を整理する

今回は、先生と看護師の皆さんにお話をお聞きします。治療の初期段階では、メンタル面でどのようなケアをされていますか?

神谷先生 年代に関係なく、ほとんどの患者さんが不妊治療をすれば妊娠するものと考えていらっしゃいます。

しかし、妊娠率は年齢とともに下がるのが現実。

当院のデータでも40 代では妊娠される方は 10 〜 15 %です。

不妊治療への期待感を持ちすぎて、なかなか妊娠しないことで大きく落ち込むことを防ぐために、当院では不妊治療や妊娠率などの基礎知識を学ぶ教室を定期的に開いています。

太田さん 治療を始める前に、妊娠率についてのデータを受け入れて、心の準備をしておくことが、治療中のストレス軽減にもつながると感じます。

結果が出ずに落ち込んでしまわれる患者さんに、スタッフの皆さんはどう対応されていますか?

澤谷さん 私たちに直接声を掛けてくださる患者さんの相談にのるだけでなく、待合室に「気軽に相談してください」というメッセージを貼るなど、相談しやすい環境づくりにも気を配っています。

神谷先生 不妊カウンセリング学会で勉強して、メンタルケアのスキルを磨いている看護師が対応しますし、心理カウンセラーによる面談や、グループカウンセリングなども用意しています。

富樫さん 特に、月に一度のグループカウンセリングは、治療を数回重ねても結果が出ない方を中心にしたものです。

「 40 歳以上の会」「仕事と不妊治療を考える会」「夫婦で不妊治療を考える会」など、さまざまなテーマを設定していますが、同じような立場や状況の方と知り合い、仲間意識が生まれることで、悩んだり不安に感じたりしているのは自分だけではないのだと、心が軽くなるようです。

チーム医療という概念

さまざまな専門分野のスタッフが、サポートしているのですね。

太田さん そうですね。メンタルケアをすると同時に治療の情報提供をすることも大切です。

そのために、医師と看護師、心理カウンセラー、臨床心理士が情報を共有しながら対応しています。

神谷先生 当院が行っているのはさまざまな専門分野のスタッフが患者さんを多角的にサポートするチーム医療です。

不妊治療は、ステップアップをする時も、治療をやめる時も、心にしこりや後悔を残さないためにも、自分の意思で決めることが大切です。

ですから、多くの情報を得たうえで、自分の気持ちを整理できるようサポートするのも私たちの役目です。

スタッフに相談したり、カウンセリングを受けたりするなかで、進む方向を自分で見つけられるように、最大限のケアをしていきたいと考えています。

インタビューに答えてくださった神谷博文先生 (中央)と、(右から)主任看護師・太田有美さん、 看護師・澤谷由美子さん、富樫寿乃さん。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。