不妊治療半年ですが本当に妊娠できるのかすごく不安です

結婚3年目、通院半年で、タイミング法だけで 結果が出ない場合、どのような選択肢があるのでしょう? アイブイエフ詠田クリニックの詠田先生に伺いました。

詠田 由美 先生  福岡大学医学部卒業。日本産科婦人科学会認定医。福岡大学 病院不妊治療グループチーフ(福岡大学医学部講師)などを経 て、1999年に開業。A型・かに座。今まで1万人以上の診療 を経験。原因を探り、それに合った治療をする、というのがポリシー。趣味はバレエで、今も週3~4回通っている。自分の プロフェッショナルの領域から離れ、〝先生〞と呼ばれない環 境で過ごせることも楽しさとなっている。

ドクターアドバイス

検査なくして診療なし。 まずは原因をしっかり探りましょう。
ちっちさん(主婦・33歳)からの投稿 Q. 結婚3年、妊娠を望み始めて1年。通院から半年、薬や注射は一切なしで タイミング法を行っています。ヒュナーテストと通気検査の結果がよかったので、 精液検査と卵管造影検査は省かれ、まだやっていません。 自力で排卵もし、ホルモン値も異常ない場合、タイミング法だけで 結果が期待できるのか不安です。先生はあまり方向性を示してくれず、 患者さんがやりたい方法をとるという感じです。

不妊検査の必要性

ちっちさんは治療の方向性が見えないことに不安を感じているようですが、どう思われますか?
詠田先生 結婚3年、 33 歳というのを考えると、やはり何か原因があることも考えられます。
ヒュナーテストと通気検査はされたようですが、一般不妊検査というのは卵管造影と精液検査、超音波、ホルモン検査、というのがセットです。
不妊原因の 30 %が男性側にあり、女性の不妊原因の 30 %は卵管にあることを踏まえると、卵管造影検査と精液検査だけで、不妊原因の 50 %以上がわかります。

不妊治療は、自己選択

通気検査の際に「子宮の角度がきつい」と言われたそうで、子宮に原因があるのでは、という不安もあるようです。
詠田先生 もし検査の際に痛かっり、性交の際の痛みや、生理痛が激しいなどの症状があれば、子宮に原因があることも考えられます。やはりまずは卵管造影検査をするのがよいでしょう。
病院には病院の、医師にはそれぞれの医師の治療方針というのがあります。不妊治療は、たとえばがん治療のように家族を呼んで治療方針を決めるような疾患ではなく、患者さんがその不妊治療をしたくないと言えばしなくていいものです。
医師も、患者さん本人が積極的にやりたいというのであれば、どんどん進めていくけれど、そうでなければ積極的に
は提案しない、という考えの方もいると思います。
私の場合は、不妊治療は疾患ととらえているので、治療のステップアップという考え方はもっていません。きちんと原因があって、それに合った治療をしないと意味がないものになってしまうことも。ですから、まずは検査、です。

不妊である。という自覚

ちっちさんは、このままタイミング法だけ続けてもしかたがないでしょうか?
詠田先生 そうですね。3〜4日に一度の夫婦生活があると仮定して、1年経っても妊娠しないということであれば、はっきりと不妊なんだ、という自覚を持って、治療を始めたほうがいいと思います。
若ければ若いだけ、不妊原因というのははっきりするし、原因が単純であることも多いんです。
このまま引き延ばして35 歳くらいになって、もっと詳しい検査をして原因が出てきた場合、治療の範囲が狭まってしまうこともあります。
その点、ちっちさんはまだ33 歳ですから、腹腔鏡手術をするとか体外受精とか、今ならまだ選択肢が多い。年齢とともに卵の質は落ちていきますし、治療の選択肢が狭まっていくことは忘れないでいただきたいですね。

夫婦間の話し合いが大事

何ができるのかは年齢によって決まってくるんですね。
詠田先生 だからこそ、これから子どものことをどう考えるのか、ご夫婦でしっかり話し合ってほしいですね。不妊治療は〝カップル〞の治療です。ちっちさんの場合、ご主人の年齢がわかりませんが、最近は年下のご主人というケースも多い。そうなると、夫婦間で子どもが欲しいと思う年齢にずれが生じる場合も多いです。
男性は生活設計をして、自分が定年を迎える時期から逆算して考える人が多いですね。
定年を仮に 60歳として、 30 代後半には子どもを持ちたい、など。
しかし、いざ子どもをと思ったとき、女性が年上だと不妊治療でできることが限られる……という結果になってしまうことも。
ですから不妊治療をきっかけに、夫婦で〝これからの人生〞についてよく話し合ってみてはどうでしょう。
なるほど、ご夫婦の年齢に応じて、よく話し合って考えることが大切ですね。一方で、詳しい検査をすると、自分かパートナーのどちらかに原因が出てくる可能性があります。それに向き合いたくないという気持ちもあると思うのですが。
詠田先生 それはあるでしょうね。でも、夫婦間で話し合いをしていれば、検査をして治療の提案があった際に、その治療を〝しない〞という選択肢も選べると思うんです。まずはお互いの体を知って、それからどうするかを決めてもいいのではないでしょうか?
今通っていらっしゃる病院で詳しい検査ができないのであれば、他の病院という選択もありますし。しかし、まずは今の先生にもっと詳しい検査をしてみたい、と申し出てみるのがいいと思いますよ。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。