痩せている人より太っている人のほうが妊娠しづらい?

久永 浩靖 先生 奈良県立医科大学卒業。奈良県立医科大学産婦人科助手を経て、東大阪 市立中央病院産婦人科医長、奈良県立奈良病院産婦人科医長を歴任。そ の後、不妊専門クリニック勤務を経て、2003 年久永婦人科クリニック院長 として就任。約1年前から週1回の加圧トレーニングでリフレッシュ。「加 圧トレーニング後は成長ホルモンの分泌を高めて代謝を促すので、全身ポカ ポカ。これから妊娠を考えている方にもおすすめですよ」と久永先生。
お菓子さん(主婦・26歳)からの投稿 Q. 痩せている人より、太っている人のほうが妊娠しづらいのでしょうか? 私は、結婚後に体重が徐々に増え、太っているというより お腹が出てきて、まるで幼児体型。顔にもお肉がついた感じです。 お菓子やアイスが好きで、最近はあまり野菜を食べていません。 それと、 ※ 高プロラクチン血症なのですが、 規則正しい食事・生活をすれば プロラクチンの数値は下がるのでしょうか? また、出ているお腹をひっこめられたら、妊娠できるでしょうか?
高プロラクチン血症:脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモン(乳腺刺激ホルモン)が過剰に分泌されている状態。プロラクチンが高くなる ことで、内分泌のバランスが乱れ、排卵障害や着床不全を引き起こす場合がある。 

肥満は、妊娠しにくいの?

肥満の人が妊娠しづらいというのは本当でしょうか。
久永先生 肥満の人が一概に妊娠しづらいと決めてかかるのは難しいと思います。実際、肥満傾向でも妊娠されている方はたくさんいらっしゃいますし。もともと持っている遺伝的な素因と、食生活や運動などの生活環境が総合的に関係してくるのではないかと思います。
ただ、 ※嚢胞性卵巣症候群は、比較的、肥満の方に多く、そのうちの約 20 〜 30 %が、高プロラクチン血症を合併していると報告されています。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):慢性的に男性ホルモンが過剰な状態に あり、排卵がうまくできない原因不明の疾患。卵巣内にたくさんの小嚢胞がある。排卵障害、不育症などがみられる。

肥満にリスクはあるの?

肥満にはリスクがあるということでしょうか。
久永先生 私は、今は不妊治療を専門にしていますが、長年、一般産婦人科をしていた経験から言うと、妊娠経過として、肥満だとかなりリスクが高くなるのは事実で、それは医学データにもあります。
そのリスクの一つが妊娠高血圧症候群。肥満傾向の方が妊娠後、さらに体重が増加すると、高血圧などの循環器系の障害を引き起こして、妊娠そのものが危険になります。それと、過度な肥満の方のなかには、糖尿病の素因を持っている場合があります。このような方が妊娠すると胎児の発育にも悪影響が及ぶ可能性があります。
また、出産時に帝王切開の確率が高くなったりしますね。肥満の人が妊娠しやすい、しにくいということより、妊娠後の周産期リスクの高さを意識してほしいですね。

標準体重を心がけよう

アドバイスをお願いします。
久永先生 あくまでも一つの目安としてですが、一般的に言われている標準体重の範囲内を心がけてほしいですね。
だからといって、カロリー制限するような極端なダイエットは、どうしてもタンパク質が不足しがちなので、健康上よくありません。
これは同様に痩せすぎの人にも言えることで、痩せすぎの人が妊娠しても、胎児の発育が悪くなったりする可能性があるからです。
それと、これは妊娠を考えているすべての人に言えることですが、まずは代謝を高めることです。そのためには、しっかり食事をして、それをしっかりと消費すること。
特に冷え性や肥満の人は運動不足の傾向がありますね。定期的に運動するのが難しいなら、エレベーターを使わず階段にするなど、身近なことから改善して、妊娠しやすい体作りを心がけてはいかがでしょう。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。