体温を測るのがストレスになってきました

藤野 祐司 先生 大阪市立大学医学部卒業。米国留学、同大学医学部婦人科学教室講 師を経て、1997年にクリニックを開業。現在、同大学で非常勤講師 も務める。B 型・おとめ座。日の出とともに目覚める先生の最近の日 課は、藤野家の家系図作り。菩提寺の過去帳で、藤野家のルーツは 現在の神奈川県相模原市藤野町にあることがわかったのだとか。
りんごさん(主婦・35歳)からの投稿 Q. 昨年結婚し、 ※ イミングをとって子作りしています。 今、高温期ですが、毎日体温の上下で 一喜一憂して、疲れてしまいます。 生理予定日の前夜などは、1時間おきに目を覚まして時計を見ます。 心臓もバクバクです。またやってきた高温期。 もう体温を測るのは排卵のときと生理予定日だけにしようかな。 私のように疲れてしまう患者さんもいますか? でも、やっぱり毎回データとして残したほうがいいのかしら。 
※タイミング(療法):不妊治療の一つ。基礎体温や尿中または血中のエストロゲンや黄体形成ホルモンを測定して、排卵日を予測し、その排卵日前後に性 交渉を行う。

基礎体温を測り続けるストレス

基礎体温をつけるのがストレスとう方、実はすごく多いようです。
藤野先生 私も、大学の婦人科での修医時代に、「毎日基礎体温をつけることが、どれだけしんどいか、一度やってみなさい」と生殖医療の教授に言われて、基礎体温表を1ヶ月間つけたことがあります。
いかがでしたか? 
藤野先生 いや、やはりストレスになりますね(笑)。正直、これを2年も3年も続ける人はすごいなと思いました。私はもちろん排卵がないので、一相性でしたが……(笑)。

基礎体温がなぜ必要なのかということから簡単にお話しすると、女性の体のリズムがわかる、ということがまず一つ。

みなさん毎日の体温が上がったり下がったりすることを非常に気にされますが、実は私たち医師は、そこはあまり気にしていません。
グラフの大きな流れのなかで、体温の高いところ(高温相)と低いところ(低温相)がわかれば、それで十分。体温が 0.3 ℃下がったからといって、慌てて飛んで来られる方もいらっしゃいますが、そんなの全然気にする必要はないんです。
体温は、部屋の空調や気温にも左右されるものですし、そんなに深刻に考える必要はないでしょう。

基礎体温の必要性は?

生理不順になったり、排卵が止まってしまったり、妊娠を望む女性にとってストレスは大敵ですよね。
藤野先生 排卵は、黄体形成ホルモン卵胞刺激ホルモンが卵巣を刺激して起こります。しかし、視床下部の中枢神経にストレスがかかると、このホルモンのバランスが崩れて卵巣を刺激できなくなってしまう。ある種の自己防衛だと思います。体がストレスを感じているようなときには、女性は妊娠しないんです。ですから、もし体温を測ることがストレスで、排卵に支障をきたしているようなら、私は無理に体温をつけなくてもいいと思います。
今は医療技術の進歩で、簡単に血中のホルモンの値や卵胞の大きさを測ることができるようになりました。
20 年ほど前までは、基礎体温表が治療の参考となる大きなより所でしたが、今はそうではない。「あれば役に立つ」という程度の位置づけでいいのではないでしょうか。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。