きちんと知って治したい!「女性の病気」ガイドライン

ささいな不快な症状も、それは病気のサインかもしれません。 放っておいては妊娠しにくい体になってしまったり、 ときには命の危険をともなうことだってありうるのです。 もしかしたら…、と思い当たることがあったらまずは検査を!

成人女性の5人に1人がもっている 子宮筋腫

子宮にできる良性の腫瘍で、原因ははっきりしていま せんが女性ホルモンの作用が原因と考えられていま す。以前は30~40代に発症しやすいとされていま したが、初潮の低年齢化にともなって20代にも広が り、現在では成人女性の5人に1人が大なり小なりの 筋腫をもっているとされています。良性なので命には かかわりませんが、筋腫の位置や大きさによっては子 宮すべてを摘出しなければならないこともあるので、 早めに治療することが大切です。

こんなサインが出たら

過多月経、貧血、頭痛、便秘、下腹部痛、不正出血、めまい、息切れ、頻尿、月経痛 など

治療

薬物で症状を抑えるか、手術で筋腫を取り除くかですが、筋腫のできた場所、大きさや数など によっても異なります。筋腫が小さく症状がない場合でも、定期的な経過観察を心がけましょう。

症状が表に出ない"沈黙の腫瘍" 卵巣嚢腫

卵巣内の卵胞に液体などがたまり、水風船のようになっ たものが卵巣嚢腫で、卵巣腫瘍の大半を占めます。

嚢 腫にたまる内容物によって分類され、透明な液体がた まる「漿液性嚢胞腺腫(しょうえきせいのうほうせん しゅ)」、ネバネバした粘液がたまる「粘液性嚢胞腺腫(ね んえきせいのうほうせんしゅ)」、髪の毛や歯、脂肪など が入った「皮様嚢胞腫(ひようのうほうしゅ)」などがあ ります。自覚症状がない場合がほとんどですが、嚢腫が ねじれて茎捻転を起こすと激しい下腹部痛が生じます。

こんなサインが出たら

下腹部痛、 下腹部の張り

治療

良性で小さいうちは、定期的な 検査で経過を観察します。嚢腫 が大きく、良性か悪性かの見分 けがつかない場合や、茎捻転を 引き起こした場合などには手術 が必要になります。

不快な症状は、心の病の引き金にも 子宮内膜症

本来、子宮内膜にしか存在しないはずの組織と似たもの が、何らかの原因で卵巣や卵管、腹膜など子宮以外の臓 器で発生する病気です。子宮内膜と同様に生理のたびに 増殖して出血しますが、月経血と違って外に排泄されな いため、血液がたまって病巣をつくり、炎症を引き起こ します。

また、発生した子宮内膜にできた傷などが、治 癒の際に周囲の他の臓器とくっついて癒着が生じると、 ひきつれて痛みを感じたり、その臓器の働きを鈍らせる こともあります。

こんなサインが出たら

月経痛、腰痛、排便痛、不正出血、下腹部痛、性交痛、おりものの異常 など

治療

ホルモン療法か手術、あるいはその併用があります。再発しやすく、また痛みの強さと病気の 重度は必ずしも比例しないので、症状があれば軽くても専門機関で検査しましょう。

卵巣チョコレート嚢胞 とは?

卵巣は子宮内膜症を発症しやすい 部分で、袋状の腫瘍にたまった血液 の形状や色から「チョコレート嚢胞」 と呼ばれます。卵巣嚢腫と混同され ることもありますが、治療法が異 なるのでご注意を!

定期検診での早期発見がカギ! 子宮がん

子宮がんには、子宮の内側をおおう内膜に発生する「子 宮体 たい がん」と、子宮頸部(子宮の入り口付近)表面の 粘膜組織に発生する「子宮頸 けい がん」の2つがあります。 子宮体がんでは40代後半~50代が発症率のピークで すが、子宮頸がんは20代~30代前半にも多く発症し、 初期ではほとんど自覚症状がありません。

進行すると不 正出血や色のついたおりものなどがみられ、下腹部痛や 腰痛をともなう場合もあります。

こんなサインが出たら

不正出血、おりものの異常、下腹部痛 など

治療

がんの進行度によって治療方法が 異なりますが、子宮頸がんは特に 治癒率が高く、早期に発見できれ ばほぼ100%治ります。しかし、 進行すれば命にかかわるので、定 期的な検診が肝要です。

子宮頸がんは 予防できる!?

子宮頸がんの原因は、性的な接触で感染す るヒトパピローマウイルスの一種によるもので あることがわかっています。そのため、欧米では 性的接触を持つ前の子どものうちのワクチン接種が 推進されています。日本でも今秋認可され、まだ個 人の意思による自費負担ですが接種が可能となり ました。

唯一「予防できるがん」となり、ワク チン接種が義務化されれば、子宮頸がん がなくなる日も近いかも!

不妊の原因となるホルモン異常 高プロラクチン血症

不妊の原因となりうる病気の一つで、排卵障害の1~2 割を高プロラクチン血症が占めています。プロラクチン は女性ホルモンの一種で、出産後に母乳をつくる働きを します。しかし、何らかの原因で妊娠していないにもか かわらず過剰に分泌され、血中のプロラクチン濃度が上 がると、出産直後のように生理や排卵が抑えられてし まうのです。

原因の大半は不明ですが、プロラクチノー マという良性の脳腫瘍によっても引き起こされること がわかっています。

こんなサインが出たら

乳房の張り、妊娠していないのに 乳汁が出る、過少月経 など

治療

血液検査でプロラクチン値が高 い場合は、薬剤を使って下げる ことができます。プロラクチ ノーマが原因であっても薬剤に よる治療がメインですが、手術 が必要な場合もあります。

「過多月経」の 目安は?

月経血はすべてが血液ではなく、 その50%は子宮からはがれた内膜 や頸管の分泌物、血液凝固を防ぐ 酵素などです。月経血の量には個 人差がありますが、1 日の平均出 血量は 20 ~ 140mL で、多い日で も2時間ごとにナプキンを交換す れば快適に過ごせるのが目安です。 それを超えて不快に感じるほど多 かったり、レバーのようなかたま りが混ざっていたりするのが「過 多月経」、ほとんどナプキンを使わ なくとも良いくらいなのが「過少 月経」、少なくとも8日以上続くの が「過長月経」、2日以内で終わっ てしまうのが「過短月経」と呼ば れます。いずれにしろ正常ではな いので、早めに婦人科を訪れるこ とが大切です。

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。