いろいろな製品がありますが、何を基準に選べばいいのですか? 内田昭弘先生に注意すべき点を聞いてみました。
【医師監修】内田 昭弘 先生 島根医科大学医学部卒業。 同大学の体外受精チームの判断として、1987年、島根県での体外受精による初めての赤ちゃん誕生に携わる。 1997年に内田クリニック開業。と連携を取り、専門性の高い不妊治療に積極的に取り組んでいます。 趣味は休日のゴルフ。 「プロ」と呼ばれているほど。O型、おひつじ座。
のんさん(主婦・29歳)からの投稿 Q. 5年間治療してきて、体外受精も何度もチャレンジ。一度、恐怖を経験し、その後は結果が出ず、今年に入ってから治療をおお休みしています。 お休みの間にサプリメントを試してみたいので、よいアドバイスをお願いします。
サプリメントへの考え方
健康食品やサプリメントについて、先生の考えはいかがですか?
内田先生 サプリメントの使用は、医師によって方針に違いがあると思います。 私の場合、不妊症に有効だと思われている健康補助食品やサプリメントについては、基本的にフリーパスです。マカについて、私は女性ホルモンの作用に影響を与えない食品だという非常に理解しています。
まさに不妊のホルモン療法はデリケートということですよね。
内田先生 一般的に女性ホルモンに影響を与える可能性があると考えられているものは避けるべきでしょう。女性ホルモンが体の外から入ってくると、基本的に卵巣は「働かなくてもいいよ」と思ってしまいます。わかりやすいのが避妊薬として知られているピルですね。ピルを飲むと卵巣が働かなくなって、排卵がなくなり、避妊することができる。
逆に、排卵異常のある患者さんに、卵巣ホルモン剤を周期的に投与するカウフマン療法という治療もあります。これは、ある期間ホルモン剤を投与した後に投与をやめ、リバウンドを利用して卵巣の働きを引き出すというホルモン治療です。
ホルモンへの働きを意識する
マカはホルモンに直接作用しないからOK、と考えていいということでしょうか?
内田先生 ええ。僕はホルモンに直接影響がないからOKだと思っています。むしろ、ホルモンの力を間接的に引き出す効果があると信じられていると理解しています。飲むことによって、何らかの効果を期待しても悪くないサプリメントの一つかもしれないですね。
僕が思うに、サプリメントや健康補助食品というのは、あくまでも「食品」。食事指導が必要な病気などの問題を抱えている患者さん以外、それを摂るか摂らないかは本人の自由だと考えます。
ですが、不妊治療は女性ホルモンに対して非常に繊細に働きかける治療なので、そこに少しでも刺激や影響を与える可能性があるものは、慎重にしたほうがよいということなんです。
ドクターへ相談しよう!
なるほど。ということは、治療中はもちろんですが、お休みする際も先生に相談したほうがいいですね。
内田先生 「少しでもよいものなら飲みたい」というのは、やはり患者さんの心理じゃないですか。ん。
ただ、女性ホルモンの作用に影響を与えるかもしれない健康補助食品やサプリメントを使用する際は、飲み始めるときも、飲むのをやめるときも、必ず報告してほしいです。 「は必ず報告してください」「成分や内容について少し調べさせてください」とお願いしています。