【医師監修】松山毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学付 属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経て、 1996年厚仁病院産婦人科を開設。日本生殖医学会生殖医療専門医。 おひつじ座のA型。知識のある医師が重要視される今、患者さんも積 極的にセカンドオピニオンを利用してほしいという、頼りになる先生。
モモプさん 37 歳 Q. クロミッド+ H CG注射6日で初めて採卵。 未熟卵のみが採取され、翌日1個が成熟しましたが、 顕微授精でも受精しませんでした。 次は ショート法を予定していますが、 また受精しなかったらどうしようと不安です。 また、今回は、前回と違う注射の種類に 変えるなどしたほうがよいでしょうか?
治療内容を理解しよう!
モモプさんは、治療の過程の注射の薬剤や数値までかなり詳しく記述していらっしゃるようです。
松山先生 厚仁病院へ来られる患者さんもそうですが、治療方法や製剤までじっくりと納得されるまで話し合いますよ。
私の説明をちゃんとメモに取ったり、患者さんご自身で勉強して専門用語まで理解してくださると、症状を共有できるので、いい結果が得られます。モモプさんはいい患者さんだと言えますよ。
顕微授精がうまくいかない?
顕微授精がうまくいかなかったようですが、どうしたらいいでしょう。
松山先生 決して落胆することはないですよ。卵胞ホルモンの値が高いということは、卵胞がたくさんあるということです。今回は、個数は多いが未熟卵しか採卵できなかったために、顕微授精がうまくいかなかったという可能性がありますね。
採卵する前の卵胞の中で成熟卵にすることが原則ですが、何らかの理由で早めに採卵しなければならなくなってしまったために、今回の結果になったのでしょう。
誘発法選択のメゾット
松山先生だったら、今後どういった治療をされますか?
松山先生 モモプさんは、ショート法でも同じ薬を使用するかどうか悩まれてますが、どこのメーカーのどの製剤がいいかは一概にはいえません。だから、今回の治療方法は間違っていないと思います。
私なら、卵巣機能をもう一度測定し直しますね。検査の方法はいろいろあります。その結果で「この患者さんに合った内服薬や注射はこれかな」と、微調整しながら治療をしていきます。モモプさんが通院しているクリニックも、同じ理由で次の方法にショート法を選択したのでしょう。治療方法は、最初は基本的なプランニングをします。
そのスタンダードに乗れない患者さんのために、医師はいろいろアレンジして治療していくんです。卵胞が 20 個ほど見えたということはいい反応ですよ。医師と信頼関係を保ちつつ、ストレスを貯めないようにして頑張ってください。