OHSSのリスクを減らすにはどうすればいい?

藤野祐司先生 大阪市立大学医学部卒業。米国留学、同大学医学 部婦人科学教室講師を経て、1997年にクリニックを 開業。現在、同大学で非常勤講師も務める。朝5時 に起床、ベランダで日の出を眺めて過ごすのが至福 のとき。マイペースな癒し系、B型、おとめ座。
ぷるーとさん 34歳 Q.排卵誘発剤の副作用で怖いのが OHSS(卵巣過剰刺激症候群) 。 排卵誘発剤とメルビンなどの 血糖降下剤の併用が 不妊治療に与える影響が気になります。

OHSSの予防方法

OHSSを予防するにはどうすればいいのですか?
藤野先生 OHSSは、排卵誘発剤の中でも、MGやCGを使った後に起こりやすいので注意が必要です。
特にHCGは引き金になるといわれていますが、 ※ 多嚢胞性卵巣症候群の方は気をつけなければいけません。最も有効な予防法は、子宮内膜やホルモンの状態が悪いときは、あえて胚移植をしないことです。
せっかく採卵した受精卵を戻さないのは勇気のいることですが、状態が落ち着くまで待つことが得策です。
※多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):原因不明の疾患。慢性的に男性ホルモンが過剰な状態にあり、排卵がうまくできない。

体重との因果関係

太っていると、OHSSにかかりやすいのでしょうか?  メルビンの服用は関係ありますか?
藤野先生 一概にそうとは言えません。OHSSにかかりやすいとされる多嚢胞性卵巣症候群には、やせ型と肥満型の2つのタイプがあり、日本人はもともとやせ型。
近年は欧米型の、太っていて糖尿病やその他の合併症がある人に多くみられますが、やはりやせ型のタイプも多い。
太っていて糖尿病の素因があると、メルビンやグリコランなどの血糖降下剤を使って、様子をみながら、排卵誘発剤を使う治療が最近よく行われるようになりました。
OHSSになるリスクを少しでも減らしながら治療しようということでしょう。

OHSSの影響は?

ジネラーの中には、OHSSの症状がひどくて入院され た方も。
藤野先生 OHSSは体外受精時の卵巣過剰刺激による、最も重大な副作用です。
腹水がたまって体重が増える、尿が出なくなるなどの症状が一般的ですが、一番怖いのは血液の粘性が高まり、固まりやすくなること。ひどくなれば血栓や脳梗塞の原因となって命にかかわります。
最近は受精卵の凍結の技術が飛躍的に高まっているので、OHSSの徴候が見つかった時点で、すぐに胚移植はしないことも多く、重症化することはまれになりました。
今後もOHSSの怖 さ、危険性を十分認識しながら、一人ひとりの患者さんに合った排卵誘発法を提案していきたいと考えています。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。