【Q&A】生理周期が短く排卵に不安、採卵前の対策は?〜藤本 尚先生【医師監修】

えんどうさん(33歳)

①上記で生理周期が短いと述べましたが、
今月セカンドオピニオンに相談に行った際、院長先生から「生理周期が短すぎるのは排卵していない可能性がある。排卵しない周期が続いていると採卵で良い卵が取れない(未熟卵ばかりになる)」と説明がありました。
現在は偽閉経療法をしていますが、それも良い卵が取れない原因になると言われました。
生理周期を整えること、排卵をさせることが大切と聞き、納得したのですが、自力で排卵できない場合はどうするべきでしょうか?

次の移植が陰性だった場合、すぐ採卵せず半年ほど体調を整えたり何周期かタイミング法や人工授精などをして排卵したのを確認したりしてから採卵をした方が良いのでしょうか?
また、別の整え方があれば教えていただきたいです。

②現在、移植12回全て陰性です。
どんな治療や検査をすべきなのか悩んでいます。

③mlc検査の事を知りましたが、「おすすめできない」とお話されている先生もおり、検査するか迷っています。

さっぽろARTクリニックn24の藤本 尚先生に伺いました。

【医師監修】さっぽろARTクリニックn24 藤本 尚 先生
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、臨床細胞学会細胞診専門医。札幌医科大学産婦人科、神谷レディースクリニック 副院長を経て、医療法人社団 さっぽろARTクリニック開院し理事長に就任。2019年5月 医療法人社団 さっぽろARTクリニックn24開院。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

えんどうさん、これまでの治療の経緯を詳しく教えていただき、ありがとうございます。長期間にわたる治療の中で様々な試行錯誤をされてきたことと思います。以下に、えんどうさんのご質問にお答えいたします。

えんどうさんは、AMH:12.6と高く自然ではなかなか排卵のある整理周期が来ないタイプであることがうかがえます。極端に短い月経周期(20日程度)は排卵のある月経ではなく不正出血である可能性が高いです。一方で、現在はARTでの治療を行っており、ART治療以外の周期で規則正しい排卵のある月経周期が来ていないといけないということはないと思います(ここについてはセカンドオピニオンの先生と見解が異なりますが、、)ので、僕の意見としてもあまり気にしないでもいいのかな?と考えました。不妊治療という点ではそうですが、規則正しい生理周期にしたいということであれば、ホルモン剤の使用(これは排卵をさせるのではなく、あくまでも定期的に出血をさせることが目的です)を検討するのもいいかもしれません。

また、自力で排卵が難しい場合、排卵誘発剤を使用する方法があります。これにより卵巣を刺激し、排卵を促すことができます。しかし、AMHが高い場合にはなかなか排卵に至らない場合もあり、現在ARTでの治療をメインとしているのであれば、そこまで排卵にこだわる必要はないのかなと考えます。

ということで、僕もえんどうさんが受診された1件以外の先生と同じで「気にすることはない」という意見に1票という立場になります。

既に12回の胚移植を行い妊娠に至っていないということであれば、年齢を考えるとやはり察知できていない原因がある可能性があります。採卵の前にというより、今までに行っていない検査や対策を検討するのを考えてみたいと思います。経過が長いため、やってはいるものの今回記載されていない検査等もあるかもしれませんが、今回のえんどうさんの資料を読んで僕が考えた検査について記載してみたいと思います。

既に多くの検査を行っているため一つしか提案できませんが、僕が提案するのはPGT-A検査です。今までうまくいかなかったのが、胚(受精卵)側に原因があるのか?それとも母体側に原因があるのか?が分かり、見えないもの(察知できていない何か原因にあたるもの)が見えてくる可能性があります。PGT-Aについては費用が高額になるというデメリットもありますが、えんどうさんの現在の状況を考えると選択肢として検討してもらいたいと考えます。

MLC検査については、意見が分かれるところですがだいぶ昔からあるものではあるものの、現時点まで有効性に関する明確なエビデンスが出ておらず、有効性がないという大きな論文データが出て以降は否定的な見解が多いという状況です。私自身も以前は行うことが有りましたが、現在は行っていません。

また、偽閉経療法は子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症等で行う治療ですが、今回の資料にそれらについては記載がありませんでした。記載がないだけでそれらがあって、それらに対する対策として行っているということならアリですが、それらの疾患がないものの行っているとしたら少し疑問符が付く治療かなとも思いました。これについては主治医の先生と相談してみてください。

最後に、不妊治療において治せないものの代表が「年齢」と「卵巣予備能」になります。若返りの薬は無く、卵巣予備能を上げる薬もありません。えんどうさんはAMH:12.6と高値で、年齢も33歳ということで、どちらも持っている人です。既に十分頑張っていて気持ちが切れそうになることもあるかもしれません。年齢的にもまだまだ休みながらでも構わないので諦めず頑張ってくださいね。陰ながらうまくいくことを祈っています。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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