ひこまるさん(31歳)
2人目不妊の31歳です。1人目は自然妊娠でした。
5AAの胚盤胞を2回移植するも、hCG2以下の陰性でした。
主治医からは「受精卵はとても良いものだった」と言われています。
反復着床不全を指摘され、検査周期に入りたかったのですが「休薬期間が1ヶ月必要」と言われました。
元々、移植も休薬期間を挟んで移植という方針で全然治療が進まないので、思い切って転院を決めました。
来週転院先の初診を控えています。
自分としては、可能な検査を全て行って次の移植に臨みたいです(前院から4AA1つ、4BC2つを移送予定です)。
相談内容は次の通りです。
①転院先で受けられる検査を受けたいと思います。TRIO検査と子宮鏡検査はマストと思いますが、他には何を受けるべきですか?
費用・効果に関わらず、できるものは全て受けたいと思っています。
来月、不育症&着床不全の専門家の外来は受診予定です。
②検査結果を踏まえて3回目の移植(できれば2個移植)をし、ダメな時はPGTAを考えています。31歳でも効果的でしょうか?
③31歳で5AAが2回陰性なのは、医学的に厳しい状況ですか?
今後、治療を続けても妊娠は厳しいのでしょうか?
④2人目不妊なので、1人目はすんなり妊娠できたのに…という気持ちが拭えません。
今のところ何も異常が見つかってないのもストレスです。
1人目の出産を機に変わりやすい、不妊要因には何がありますか?
⑤転院前の病院では「着床不全の検査を受けても半数以上は引っかからない」と言われました。もし、あらゆる検査をして引っかからない時は、どんなふうに治療を進めるべきですか?
⑥良好胚盤胞でもhCGが全く出ないのは、母体側が原因ですか?
お忙しいところ申し訳ございません。ご回答いただけると幸いです。
さっぽろARTクリニックn24の藤本 尚先生に伺いました。

日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、臨床細胞学会細胞診専門医。札幌医科大学産婦人科、神谷レディースクリニック 副院長を経て、医療法人社団 さっぽろARTクリニック開院し理事長に就任。2019年5月 医療法人社団 さっぽろARTクリニックn24開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
転院先での検査について、TRIO検査と子宮鏡検査は重要な検査です。それに加えて、免疫系の異常を調べるための免疫検査(Th1/Th2比など)や、血液凝固異常の検査を受けることも考慮に入れると良いでしょう。これらの検査は着床不全の原因をさらに詳しく調べるのに役立ちます。
PGT-A(胚の着床前スクリーニング)は、胚の染色体異常を検出するのに有効ですが、31歳では染色体異常のリスクが比較的低いため、効果には個人差があります。またPGT-Aは自費で高額な費用が掛かる上に、そのために行うART(排卵誘発、採卵、胚培養、PGT-A後の胚移植)すべても保険での治療ができないというのが、保険診療のルールとなっています。そのためPGT-Aを行う以外の部分でも高額な費用が掛かるというのが大きなデメリットとなることを理解する必要があります。
5AAの胚盤胞が2回陰性だったことは、必ずしも妊娠が難しいことを意味するわけではありません。胚のグレードはあくまで形態評価であって中身の質を表しているわけではありません。年齢を考えても妊娠率は約50-60%の確率であり2回の胚移植の不成功は残念ではありますが、悲観するものでは決してありません。胚のグレードが良好であっても、着床には多くの要因が関与するため、慎重に次のステップを考えていくことが重要です。
1人目の出産後に変わりやすい不妊要因としては、年齢による卵巣機能の変化や、ホルモンバランスの変化、また子宮内環境の変化などが考えられます。これらの変化が妊娠に影響を与えることがあります。
もしあらゆる検査で異常が見つからない場合には、治療方針の見直しや、異なるアプローチを試みることが考えられます。例えば、移植のタイミングを再評価したり、新たな治療法を試すなどです。主治医と一緒に、可能性を模索していくことが大切です。
最後に、良好な胚盤胞でもhCGが出ない場合、母体側の要因としては子宮内膜の受容性や免疫系の要因が考えられますが、これだけでは判断できません。多くの要因が絡んでいる可能性があるからです。反復着床不全の定義は良好胚盤胞を2回胚移植しても妊娠に至らない場合と定義されています。そのため今回のひこまるさんの場合には、何もせずにもう1回胚移植して普通に妊娠に至る可能性も充分あると思われます。まだ胚移植は2回ではあるが、気になるから検査をしていくのか?そのまま3回目の胚移植に進むのか?主治医の先生としっかりい相談することをお勧めします。
頑張ってくださいね。