【Q&A】卵の質を良くする方法はある?~浅田先生【医師監修】

ぴぴぴさん (41歳)

卵の質を良くする方法が知りたいです。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、岡崎、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

卵子の質を良くしたいというご希望についてですが、そもそも「卵子の質を改善できる」という考えは誤解です。
ヒトの卵子は生まれる前に作られ、それ以降は新たに作られることはなく、加齢とともに数が減少していきます。41歳ですと、卵巣で長年保管され少しずつ傷みながらも残っている卵子を用いて生殖医療を行うことになります。

卵子は卵巣で保存されている間に、時間の経過とともに老化していきます。老化の程度には個人差や卵子ごとのばらつきがあり、採取された卵子の良し悪しは、この自然なばらつきによるものです。そのため、特別なことをしたから卵子の質が良くなる、あるいは悪くなる、ということはありません。また、卵子を選んで育てることもできません。

卵子は生まれる前に作られた後、半年以上かけて成熟卵になり、その後半の約3か月はホルモンの影響を受けて成熟していきます。ヒトの卵子は約120マイクロメートルと非常に小さく、鶏の卵のように栄養を蓄える構造ではないため、食事やサプリメントが直接的に卵子の状態に影響する仕組みにはなっていません。
また、状態の良い卵が育つかどうか、卵子と精子の遺伝子がうまく組み合わさるかどうかといった点もコントロールできません。
卵子の質に影響を与えられる可能性があるのは、卵巣刺激の技術です。長い間眠っていた卵子を再稼働させ、成熟度の高い卵を得ることで、その後の受精率や胚盤胞到達率に繋がります。
さらに、受精操作・培養・凍結融解・PGT-A検査時の生検などはすべて技術に依存するため、施設や担当者によって差が出ます。そのため、卵子そのものの質を向上させることはできませんが、胚培養士の技術や医師の卵巣刺激の技量によって治療成績を高めることが可能です。

ピピピさんは、AMH値が1.1ng/mlと決して悪くないため、一度の採卵で数個の卵子を得ることが期待できます。精子に奇形があるようですが、精子は遺伝子を運ぶカプセルのような役割を担うため、奇形の影響はありません。
また、「EMMA」「ALICE」のように、子宮側が着床をコントロールしているというような考えは誤解です。子宮内膜は毎月入れ替わるため、炎症が長く続くことは考えにくく、ラクトバチルスが着床に影響するという科学的根拠も現時点では示されていません。

早く良い結果を得るためには、卵巣刺激や培養の技術が高い施設で治療を受けることが最も効果的だと考えられます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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