あいあいさん(35歳)
不妊治療3年目、ARTは2年目。なかなか良い成績がでません。34歳からARTを行なっていますが未だ妊娠できず、現在35歳です。
土地柄、病院の選択肢も少なく、その中でも先進医療に前向きな大学病院に昨年から転院しました。
保険5回利用し、今後は貯卵で胚盤胞3個出来ればと思っていますが、採卵4回目で採卵数が3個しか無く、胚盤胞に到達するのか心配です。
質問は以下の4つです。
1.治療歴に過去の成績を記載していますが、この状況から胚盤胞に到達する可能性はあるでしょうか。
2.アンタゴニストで刺激しましたが、2周期連続でしても良いでしょうか。
3.体外受精を始めてから卵巣が腫れやすくなりましたが、治療が原因でしょうか。また晴れやすさは治療の妨げになりますか。
4.過去の成績から5回胚盤胞を戻しても妊娠しないのは、染色体異常が年齢の割に高い可能性はありますか。
よろしくお願いします。
宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

あいあいさんは何度も流産(化学流産を含む)していますので、不育症の検査(ネオセルフも含む)と精液検査をすべきです。おそらくそこらに何かありそうです。以前分娩までしていますし、今回もタイミング法でhCGが出ていますので先行きは明るいと思います。
また、採卵も6個、7個、8個と十分反応があり、AMHが低いとは思えません。ここまで来たらきちんとした(もう少し強い)調節刺激法で、できればPGT-Aで数個のA判定胚を得て治療したくなります。そうすれば2~3人の子どもも期待できます。
採卵6個のうち胚盤胞2個、8個のうち胚盤胞2個ならそれほど悪いとは言えません。むしろ、調節刺激で10~15個の卵胞形成、7~10個の受精卵、5~7個の胚盤胞を目指し、PGT-Aすれば2~3個はA判定ができると思います。
アンタゴニスト法は調節刺激で最も多く使われている方法で、2周期連続でも構いません。むしろ気持ちの上で追いつめられる感じがするなら1周期は休んだほうがいいかと思います。

体外受精後に卵巣は腫れるのは当たり前です。排卵誘発剤を用いて多くの卵胞を育てたのですから。しかし、卵胞数が15個以上、卵巣直径7cm以上、ヘマトクリット40%以上、腹水貯留などの場合は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の疑いとしてそれなりの処置や入院安静が必要になりますが、今ではいい薬が多数ありますからきちんとした検査、治療をすれば怖くはありません。
染色体異常は35歳以上から増加します。しかしそれはほとんどが突然変異ですので心配することはありません。しかし、あいあいさんは流産が多いので(化学流産も含めて考える)ご夫婦の染色体検査をお勧めします。このような場合、5%に転座などが見つかると言われていますから。もし、転座であっても今ではPGT-SRができますので安心です。
先行きは明るいと思いますが、流産したら染色体検査をしましょう。今後の参考のために。
当院の流産はみな染色体検査をしています。すると流産の80%は染色体異常でした。流産は「染色体正常胚が着床したら赤ちゃんが生まれる」という保証と考えましょう。