死産後、着床不全に…。 染色体異常の多さも 指摘されました

相談者 :ありもんさん(32歳)
▶︎染色体異常が多い原因と対策について
死産後から着床不全が続き、体外受精・顕微授精で10 回移植するも化学流産4 回、他は陰性が続いています。検査で大きな異常はなく、子宮内フローラのみラクトバチルス0 で1年以上プロバイオティクスを使用。PGT-A では年齢に対して異常胚が多く、卵子要因の可能性を指摘されました。6 日目胚盤胞しか得られず、すべて着床せず。唯一着床した双子の胚盤胞の成長が遅かったことから「着床の窓が狭い」可能性があり、移植時期を1.5 日ずらす提案を受けています。
【医師監修】Noah ART Clinic 武蔵小杉 久慈 直昭 先生
慶應義塾大学医学部卒。東京医科大学産婦人科学教授を経て、2023 年5 月より、Noah ART Clinic 武蔵小杉の統括医師に。生殖医療専門医・指導医。臨床遺伝専門医。

年齢に対して染色体異常が多いのはなぜでしょうか?

久慈先生●年齢などが同じような条件でも染色体異常が出やすい人と出にくい人がいて、染色体異常が出やすい人では、着床前胚染色体異数性検査(PGT -A)の検査結果で年齢が若くても検査に出した胚のうち70 〜80%に染色体異常が出ることも確認されています。
正常胚を増やす方法は確立されていませんが、現在のような染色体検査ができるようになってまだ数年しか経っておらず、その前から染色体が正常な卵子が出てくる„かもしれない"方法が模索され、大きく分けて2つの方法が実践されてきました。1つ目は「排卵誘発剤の使い方や注射の仕方を変える」。2つ目は「採卵のタイミングを早く、もしくは遅くにずらす」という方法です。培養段階ではなく、卵子によって染色体異常が出るか出ないかが決まるので、採卵前に対策する、という考え方です。

6日目胚盤胞ばかりができるのはどのような理由が考えられますか?

久慈先生●染色体が正常な受精卵は育つスピードが早く、均等に分割してきれいな胚盤胞になると考えられますが、染色体異常がある場合は胚盤胞にならないまま成長が止まる、もしくは時期が遅れるという傾向にあります。治療データを拝見すると、同じレベルの良好胚でも5日目は正常胚で6日目は染色体異常の確率が高いことが見受けられます。成長の遅さが、着床や妊娠継続に影響するということがわかるかと思います。

「移植時期を1.5日ずらす」提案について、どう思われますか?

久慈先生●反復着床不全の条件に該当するありもんさんは検査や治療をやり尽くしていて、主治医は「少しでも可能性があるものを」と考え抜いて提案されたという印象です。育ち方が遅かった胚盤胞のみ着床したという事実を見れば理論的にはあるかもしれませんが、一般的ではないと思います。
ありもんさんは初回の採卵がアンタゴニスト法で、2回目以降はPPOS法。死産という結果でしたが、一度は着床した実績があるアンタゴニスト法に再び戻し、時期をずらして採卵。体外受精で良好胚を育て、PGT -Aで正常胚を移植しても結果が出なければ免疫のTh1/Th2検査や、徐々に増えたサプリの整理を試してみてもよいでしょう。今後は自費診療になるため負担も増えますが、考えられる方法はまだまだありますので、一つずつ選択しながら前に進んでいただきたいと思います。

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