【Q&A】乳がん治療後の移植~浅田先生【医師監修】

ルパンさん (45歳)

もうすぐ移植します。
乳がんに罹患していたため、3か月前までタモキシフェンを飲んでいました。休薬は3か月と聞いていましたが、病院の張り紙に9か月休薬しないと奇形が産まれる可能性もある、製薬会社のデータからわかる、と示してありました。最近は3か月ではなく9か月なのでしょうか。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、岡崎、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

タモキシフェンの休薬期間が2023年に3ヶ月から9ヶ月に変わりました。薬剤が体の中から消える半減期の何倍という計算だったのが、遺伝毒性の考え方で長くなりました。
私はがんの専門家ではないので、実際のところは主治医にご確認いただきたいのですが、胎児の遺伝子に関する影響を考慮しているようです。

凍結している受精卵を融解して移植するだけならば、子宮内膜は毎月変わっているため、タモキシフェンの影響は薬剤が体内に残っていなければ全くないと言えるので、3ヶ月でよいと考えます。受精卵の遺伝情報はすでに決まっているため、遺伝毒性はないのではないでしょうか。
これから採卵するのならば、半年ほど前から卵子は育ち始めるため、成熟卵になるまでの間に体内で薬剤の影響を受けないために6ヶ月程度は休薬ということも考えられます。

9ヶ月の根拠となるデータを私は把握していないため、主治医にご確認ください。

休薬中に注意すべきことは特にありませんので、避妊することくらいです。休薬期間中に自然妊娠した場合に、その赤ちゃんの予後について信頼できるデータや研究結果があれば今後考慮の余地があると思います。

質問者さんは年齢も高いため、移植するにしてもあまり遅くならないように、子宮筋腫も取ったとのことですから、主治医に確認後、できるだけ早く移植するのがよいでしょう。

PGT-Aで染色体の数の異常のない受精卵を選択するのが最も確率の高い治療です。

現在の先進医療に妊娠率を高めるものはありません。学会のガイドラインではC判定となっているものに対して、実施している医師がいるため、先進医療という枠組みに入れただけで、多くは世界的に実施されていない、否定されたものばかりです。
タイムラプスインキュベーターについては別で、培養器の認可をせずに保険適用を進めてしまったので、やむを得ず先進医療の枠組みに入れざるを得なかったものです。

不妊症は生活習慣病ではありませんので、赤ちゃんのために栄養を取るのは大事ですが、栄養や運動で妊娠率が高まることはありません。

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