【Q&A】41歳、人工授精5回後の選択~佐藤幸保先生【医師監修】

よしさん(41歳)

人工授精5回実施しました。そのうち4、5回目は排卵後だったことがずっと気になっています。
もともと5回くらいで授かれなかったらステップアップをしようと考えていたのですが、この2回はカウントしても良いでしょうか?
転院を予定しています。
そこでもう一度人工授精してみるか、早くステップアップした方がいいのか悩んでいます。
人工授精の妊娠可能性とステップアップのタイミングについても教えてほしいです。

ハシイ産婦人科の佐藤幸保先生に伺いました。

【医師監修】ハシイ産婦人科 佐藤幸保 先生
京都大学医学部附属病院および高松赤十字病院で体外受精など生殖医療を担当。患者さんそれぞれのニーズに応じて、個別化した不妊診療を提供することをモットーにしている。
資格:産婦人科専門医、生殖医療専門医、周産期専門医・臨床遺伝専門医

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

 

排卵後の人工授精が妊娠に影響する可能性について教えてください

卵子の寿命は約24時間で、そのうち受精能力の高いのは最初の10時間程度とされています。ですので、排卵後10時間以内の人工授精であれば妊娠する可能性は十分にあります。

人工授精を続けるかステップアップするかのタイミングについて、先生でしたらどのような提案をされますか?

当院では、35歳以上の女性の場合、4回程度の人工授精で妊娠しなければ体外受精へのステップアップをお勧めしています。

人工授精を何回まで試みるのが一般的か教えてください。

女性の年齢が35歳未満なら6回まで、35歳以上なら4回まで試みるのが一般的でしょう。

現在の状態での体外受精や顕微授精へのステップアップの治療方法を教えてください。

不妊治療をしている40歳以上の女性では、妊娠につながる可能性のある卵子は10個に1個程度と見積もられます。ですので、体外受精では、1回の採卵で10個以上の卵子を採取することをめざします。調節卵巣刺激(高刺激)によりできるだけ多くの卵子を採取し、得られた受精卵のうち体外培養で胚盤胞まで発育できたものを子宮内に戻す方法が勧められるでしょう。

人工授精を5回実施しました。そのうち4、5回目は排卵後だったことがずっと気になっています。もともと5回くらいで授かれなかったらステップアップをしようと考えていたのですが、この2回はカウントしても良いでしょうか?

卵子の寿命は約24時間で、そのうち受精能力の高いのは最初の10時間程度とされてます。排卵後10時間以内の人工授精であれば妊娠する可能性は十分にありますので、排卵後の人工授精もカウントしてよいでしょう。

転院を予定しています。そこでもう一度人工授精してみるか、早くステップアップした方がいいのか悩んでいます。人工授精の妊娠の可能性とステップアップのタイミングについても教えてほしいです。

一般的に女性の年齢が35歳未満なら6回まで、35歳以上なら4回までの人工授精で妊娠できなければ、体外受精にステップアップしたほうがよいとされています。41歳という年齢を考えると、できるだけ早く体外受精を開始することをお勧めします。
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