【Q&A】凍結胚、移植は自然周期かホルモン調整周期か~小川達之 先生【医師監修】

みほさん(39歳)

相談①
次回の移植までにしておいた方がいい検査はありますか。一通り検査はしいて、やっていないとすれば着床の窓の検査になります。
流産によって窓が変わることがあると聞いたことがありますが変わることはあるのでしょうか。

相談②
現在4BC.4CC凍結中です。次回この2個を移植するか、もしくは4CCを破棄して良好胚盤胞凍結に向け追加採卵するか、どちらがよいでしょうか?
4BC.4CCの2個移植はグレードが低いので辞めた方がいいでしょうか。

相談③
今まで全て自然周期での移植で着床実績があるのですが、ホルモン補充での移植をしてみるのはありでしょうか?
それとも自然周期で実績があるので次回も自然周期での移植がベストでしょうか。

お忙しい所恐縮ですがご回答いただけると嬉しいです。

表参道ARTクリニックの小川達之先生にお伺いしました。

【医師監修】表参道ARTクリニック 小川達之 先生
2009年山梨大学医学部卒業。2016年より山梨大学医学部附属病院産婦人科にて不妊治療にあたる。2024年4月より亀田IVFクリニック幕張に入職、2025年8月より表参道ARTクリニックの院長に就任。ひとりひとり個別の状況に対応し、患者様の立場に立った医療を提供したいという想いを持って日々、診療に従事。医学博士。日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医。日本生殖医療学会生殖医療専門医・指導医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

具体的な言及はできませんので、可能な範囲で一般的なお話をさせていただきます。
流産後、子宮内膜の炎症の状態や、細菌叢の状態などの変化によって着床の窓が変化する可能性はあり得ますが、積極的に考えることは多くないと思います。

不育症の検査としては、抗リン脂質抗体症候群や凝固の他に、免疫学的検査も検討されることがあります。血中あるいは子宮内NK細胞活性の問題で流産を繰り返してしまう方もいます。こちらは施設の方針によって、どこでも検査や治療が可能なわけではありません。

2胚移植のメリットは2個分の結果が1周期で得られること、デメリットは多胎リスクです。いわゆる形態不良胚を併せた2胚移植ではかえって妊娠率が低下するという報告もないわけではないので、CC胚を用いることに否定的な施設もあります。
形態良好胚ができた時にPGT-Aを行うのであれば自費診療になりますが、保険診療で行なっていくのであれば、まずは形態良好胚の作成、そして大事に作戦を立てて胚移植をすることが結局重要となります

自然周期とホルモン補充周期のどちらが良いか、とのことでしたら、基本的には「過去に妊娠が成立した方法を」とお答えすると思います。思うような結果が得られない場合に、やったことのない治療内容を実施してみるのは良いと思います。ただし、やったことないだけで結局その方が良くない結果に終わることもあります。
応援しています。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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