【Q&A】自然周期とホルモン調整周期の選択~藤野 祐司先生【医師監修】

saiさん (38歳)

移植3回しましたがいずれも陰性で、移植1回目と3回目は自然周期でした。
2回目のみだけホルモン周期(ジュリナ錠)で、BT8に妊娠検査薬を試したところ目を凝らしたらうっすらと陽性反応が出ましたが、結果陰性でした。
その後、生理と一緒に見たこともない白い塊と一緒に出てきて病院に持って行ったところ「着床しかけてた」とのことでした。

ホルモン周期の方が惜しいところまでいったので、今周期はホルモン剤で試して薬を開始しましたが、些細なことでついイライラしたりやけに悲しくなったりと情緒不安定になります(薬を始めて移植2回目の時もそうだったことを思い出しました)

そのことを主治医に相談すると、ジュリナ錠からエストラーナテープに変更。テープは頭痛に吐き気、不眠の症状が出ました。
慣れたら行けると思い続けてましたが、夫がコロナに感染し、今周期はやむを得ず移植は中止することになりました。
薬が合わないことが再確認できたような周期でした。
内膜も自然周期の方が早く成長しますし、私の方な場合は自然周期の方が向いてるのでしょうか。

藤野 先生に聞いてみました。

【医師監修】ウィメンズクリニック本町  藤野 祐司 先生
大阪市立大学医学部卒業。藤野婦人科クリニックの院長を務めた後、平成28年にウィメンズクリニック本町を開院。
ご夫婦・ご家族の“夢”の実現に向かって、希望を叶えられるよう、患者さんの状況に合わせた診療を提供することを大切にしている。
日本産婦人科学会専門医、生殖医療専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●Saiさんのような場合では、自然周期とホルモン周期のどちらが適しているでしょうか?

自然周期のメリットは薬剤使用が最小限であること、ホルモン周期のメリットは日程の調節が可能なことです。使用薬剤の副作用が気になる場合は自然周期の方が適しているでしょう。

●ホルモン剤による情緒不安定の対策を教えてください。

移植後使用する黄体ホルモン製剤での情緒障害はよく耳にしますが、エストロゲン製剤ではむくみ、腹部膨満感、体重増加が多いと思います。ジュリナやエストラーナでの情緒障害に対応方法は申し訳ありませんが不明です。

●移植中止後の最適な再開時期についてアドバイスをお願いします。

移植再開時期に関してはいつでも良いと思うのですが、子宮腺筋症を指摘されているのでしたら、3ヶ月くらい子宮腺筋症治療を受けられた後、移植される事も有効かもしれません。

●自然周期での内膜成長を促進する方法はありますか?

妙案はなかなかありませんが、当帰芍薬散内服により子宮への血流が増加する方がいらっしゃいます。内膜成長への助けになる可能性があるかもしれません。

●着床しやすくするための生活習慣改善点を教えてください。

禁煙、禁酒、カフェイン摂取制限、十分な睡眠・適切な運動などが一般的です。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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