【Q&A】稽留流産後、再採卵か移植か~佐藤幸保先生【医師監修】

なおこさん(34歳)

体外受精2回目の移植(シート法、アシステットハッチングあり)で妊娠しましたが、9週で稽留流産し、一昨日手術をしました。
初めての採卵で8個胚盤胞を得られ、残りは6個です(6個のグレードはAA~BCまでいろいろ)
次に移植する胚盤胞も染色体異常だったら、と考えると移植するのが怖いです。
いま凍結している胚盤胞が正常である可能性は、十分あるのでしょうか。体質改善をして、もう一度採卵に挑んだ方が良いのか迷います。

なお、一人目は1年ほどかかりましたが、タイミング法で妊娠しています。

ハシイ産婦人科の佐藤幸保先生に伺いました。

【医師監修】ハシイ産婦人科 佐藤幸保 先生
京都大学医学部附属病院および高松赤十字病院で体外受精など生殖医療を担当。患者さんそれぞれのニーズに応じて、個別化した不妊診療を提供することをモットーにしている。
資格:産婦人科専門医、生殖医療専門医、周産期専門医・臨床遺伝専門医

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

 

なおこさんが経験した稽留流産について、どのような原因が考えられますか?

移植した胚盤胞の染色体異常が原因である可能性が高いでしょう。

稽留流産した際の胚盤胞と同時期の採卵で得た凍結胚盤胞について、正常である可能性はどの程度の確率が考えられますか?

胚盤胞のグレードと染色体異常の有無は必ずしも比例しません。現在凍結保存されている胚盤胞の中にはグレードAAもあり、形態が比較的良好ですので、染色体正常なものが含まれている可能性は十分にあると考えます。

なおこさんが再度採卵に挑むことと、現在の胚盤胞を使用することのメリット・デメリットを教えていただけますか?

採卵は大量出血や腸管損傷などのリスクをともないますので、その回数を必要最小限にすることが望ましいでしょう。現在凍結保存されている胚盤胞の中にはグレードAAもあり、形態が比較的良好ですので、それで妊娠できる可能性は十分にあると思います。再度採卵するよりも、あと1回は残りの凍結胚盤胞を移植することをおすすめします。

先生でしたら、なおこさんの次のステップとしてどのような提案をされますか?

残りの凍結胚盤胞6個のうち形態良好な上位2個を同時に移植します。それでだめなら再度採卵を考えてもよいでしょう。

なおこさんの現在の健康状態やライフスタイルについて、体質改善が必要と考えられる点はありますか?

特にありません。ビタミンDとエレビットの服用は続けたほうがよいでしょう。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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