【Q&A】胚盤胞にならない、今後の方針は?~丸田先生【医師監修】

あきちゃんさん(42歳)

今後、どうしたら胚盤胞まで育ち移植することが出来るでしょうか?
卵子の老化は初診から言われており食事や漢方、生活習慣の見直しでようやく卵が採れるようになりましたが、顕微授精で受精はするものの移植まで辿り着けず困っています。保険適用があと1回残っています。自費になっても今年いっぱいは治療を続けたいと思っています。

今後の採卵に向けて出来る対策はありますでしょうか?

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック 丸田 英 先生
久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

現在の年齢で妊娠を考えるとき、治療方針を明確化することが重要です。
まず、どれだけ卵子を回収したら、どの程度妊娠できるのかを治療前にある程度知っておいたほうが良いともいます。42歳であれば、一人の元気な赤ちゃんを授かるためには卵子回収は40個程度必要です。(30代前半では10~12個程度です)
現在のAMHと年齢を考えると体質改善は重要ですが、それ以上に卵子回収を急ぎ、少しでも若い卵子を獲得することが肝要です。
食事の改善や漢方で結果が変わった可能性は否定できませんが、それを客観的に評価することが難しいので、食事改善や漢方だけに時間を費やすことは一定のリスクがあると思います。もちろん、規則正しい生活やバランスの良い食事は続けてください。

どの年齢層でも受精後に胚盤胞にならない受精卵は一定数あります胚盤胞にならない原因の1番は受精卵の染色体異常によるものです受精して胚盤胞にならない割合は年齢と共に高くなっていきます。

クリニックにより考え方は様々ですが、当院であれば現時点での判断は、卵子回収数を増やす目的で自由診療を推奨します。採卵できる時間は有限です。移植はいつでもできます。採卵は妊娠率を上げる治療内容です。移植は妊娠のチャンスをつくる治療内容です。

有限であり妊娠率を上げる治療法に時間を割くことが妊娠への近道です。まずは、スピード感と経過、結果に応じて刺激方法や培養方法など主治医と改善点や修正点を話し合うことが大事です。

 

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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