あいさん(34歳)
今年初めて体外受精で移植しましたが、8週目で稽留流産になりました。胎児の染色体検査について先生からは勧められませんでしたが、染色体検査をしました。流産の原因がわかれば効果のある検査が見つかると思ったためです。
染色体検査の結果は22番目の染色体が3本で染色体異常による流産でした。先生からは「不育症の検査は無意味」と言われました。
次の生理周期が始まったら採卵をします。胚盤胞が凍結できたら移植です。
また流産するのではないか、そもそも着床もできないのではないかと不安なのですが、できる検査はないのでしょうか。
保険適用の移植回数が決まっていることもあり、同じことを繰り返すだけなのが不安です。
広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
流産原因が、胎児の染色体異常であった場合、再度そのようなことがないのを望むのが通常であり、その対策としては、PGT-Aを施行することが適切です。
また、流産の原因は、その受精卵の染色体異常以外に、母体側(子宮因子を含む)にあることもまれではないので、基本的な不育症に関する検査をすることは無意味ではありません。最も重要なのは、それらの治療内容、方向性をすべて説明してもらい、自分が納得する治療をどこまで受けるか?です。
再度採卵し同じような保険での治療を受けるか?PGT-Aを施行し確率が高く安心した妊娠経過を得ることができる治療にするか?です。
PGT-Aを受ける場合は、その施設が技術的に高いレベルにあるか?ただ行ったことはあるが十分な症例経験がない?などの医療施設の情報も重要になります。
どこで、どのような治療を受けるか?が高度な生殖補助医療を受ける場合最も重要です。どこでも同じは、あらゆる分野であり得ませんので、自分の知り合いであれば、NK細胞活性、Th1/Th2などの血液検査、子宮内の確認などを行いPGT-Aを施行したART医療を奨めます。
時間は刻々と過ぎていき、失った時間は取り戻せませんし出産には10ヶ月かかりますから!!