【Q&A】不育症、受けるべき検査は?~岡村先生【医師監修】

SNTさん(38歳)

これまでの検査や治療法のほかに、受けた方がいい検査や治療はありますか?
また、自費の移植に移行した方がよいのかなどアドバイスをいただきたいです。
現在通院している病院は着床前診断などはできません。主治医や看護師の方には良くしていただいてまったく不満はありませんが、必要であれば転院も検討しています。

岡村先生に教えていただきました。

【医師監修】岡村佳則 先生(ソフィアレディースクリニック水道町)1993年、熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院勤務、米国留学、熊本大学医学部附属病院、熊本総合病院勤務等を経て、2022 年5 月ソフィアレディースクリニック水道町の理事長・院長に就任。モットーは「二人の気持ちに寄り添い、そのための心と体に優しい医療の提供を行う」。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

・SNTさんがこれまでに受けた検査や治療法について、先生の視点から見て追加で受けるべき検査や治療法は何かありますか?

2回の稽留流産の後不育症検査が行われ、抗PE IgG抗体陽性、プロテインS活性の低下から低用量アスピリン療法を併用して移植を行うも進行流産となり、染色体検査で異常なしとのことでした。着床障害の原因として、慢性子宮内膜炎の検査が必要と考えます。
また、病理検査で感染が示唆されるとのことで、子宮内細菌叢検査(子宮内フローラ検査)も必須です。また、不育症検査では、ネオセルフ抗体についても先進医療として検査できるようになりましたので、検討されると良いと思います。

・自費診療に移行することをお勧めされる場合、その理由と、どのような治療の選択があるか教えてください。

まずは保険あるいは先進医療で行える検査で不育症検査を網羅的に行うことが良いと思われます。PGT-Aを希望される場合は自費診療となります。

・PGT-AやTRIO検査、ERA検査、EMMA検査、ALICE検査などの特殊な検査を受けることで、治療の成功率はどの程度上がると考えられますか?

着床障害への対策を行い保険で移植できる回数以内に生児獲得できなければ、PGT-Aを行うことで生産率の上昇が期待できるかもしれません。

・SNTさんが他の病院への転院を検討すべきか、どのような指標や観点から判断すると良いでしょうか?

着床障害の検査を先進医療として実施できない場合、またPGT-Aを希望される場合は転院を検討する必要があるでしょう。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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