【Q&A】子宮筋腫は取った方が良い?~林先生【医師監修】

くろさん(40歳)

子宮底に6cmの筋腫があり、妊娠が難しいです。
不妊期間も長いので、年齢的にも採卵してから筋腫を取り、半年待ってから体外受精をすることを勧められました。
また、手術する場合は全身麻酔で1〜2週間の入院が必要だと言われました。

漢方、食生活の改善で、筋腫を小さくすることは不可能ですか?
筋腫を取った後に自然妊娠する可能性はありますか?
また、筋腫を取って、その後、体外受精をした場合の妊娠・出産率はどれくらいですか?

ウィメンズクリニックふじみ野の林先生にお聞きしました。

【医師監修】ウィメンズクリニックふじみ野 林 直樹 先生
1983年、東京大学医学部卒業。埼玉医科大学総合医療 センター(川越市)などを経て、現職。「体外受精、顕微授精も高いクオリティで対応していますが、できる限り自然に近い不妊治療をご提供したいと考えています。 患者さんはそれぞれお悩みも違いますから、どんなこと でもまずご相談を。時にはご要望に沿えず、厳しいこと を申し上げるかもしれませんが、常に患者さんにとって ベストな治療法をご一緒に見出したいと思っています」。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
40歳で、結婚8年目の方で、妊娠歴がこれまでない方ですね。不妊原因は不明とのことですが、これだけ長期間の不妊歴の場合、自然妊娠はもはやあまり期待せず体外受精治療が良いと考えます。

筋腫の大きさは妊孕性には影響しないと考えますが、場所的に子宮内腔との関係がどうなのかが大切です。最近では内腔を変形させていなくても、底部に存在し内膜に接するようであれば着床障害の原因ともなります。ただ結婚当初から子宮筋腫が着床障害として存在していたかはかなり疑問です。つまり筋腫以外の不妊症リスク因子がある可能性があります。
筋腫を手術することで自然妊娠が期待できる場合というのはないわけではないと思いますが、偶然発見された子宮内膜症や卵巣卵管の周囲癒着が筋腫手術とともに適切に処理されるようなことがあれば少しは可能性が出てくるでしょう。担当医の提案された先に採卵し凍結胚を得たところで筋腫手術という戦略は正しい戦略だと思います。

40歳で得られた胚盤胞は移植当たり20~25%の生児獲得率があります。担当医の先生と相談され、何個の凍結胚を得たら手術に移行するかを決めることになります。この場合AMHの測定は採卵数に直結するため大切な指標となります。

漢方薬で筋腫の縮小は図れませんが、ビタミンDの不足は筋腫の再発リスクという最近のデータはあります。
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