【Q&A】漿膜下筋腫の影響について~小塙先生【医師監修】

はたみさん(39歳)

子宮筋腫(漿膜下筋腫7cmほど)があります。体外受精4回しましたが、なかなか授かれません。去年はホルモン補充で胚盤胞移植を3回。胚移植前に筋腫の治療のためレルミナを服用しましたが、副作用が強く、不眠になり、体がボロボロになりました。

今年は初期胚を1回移植しました(筋腫治療はせず、自然周期で)。先進医療はタイムラプスを使ってみました。
AMHは低くないのですが、他に何か検査すべきでしょうか?

保健適用があと2回で終わってしまいます。筋腫の事を考え、母体に影響の無い1個移植をしてきましたが、やはり2個にした方が着床率は上がりますか?母体の負担は大丈夫ですか?ほかに良い方法ありませんか?
先生の見解を聞かせてください。

小塙先生に聞いてみました。

【医師監修】医療法人小塙医院 小塙理人 先生
千葉大学医学部卒業。慶應義塾大学病院産科婦人科教室入局。2023年1月より医療法人小塙医院の理事長に就任。小塙先生で3代目。2代目の父より生殖補助医療を主とした不妊治療を開始し、不妊治療が今後の日本の社会を変えることができる医療だと考え、この分野を専攻。生殖医療を通して日本社会の成長に貢献したいと日々診療に従事。日本産科婦人科学会専門医。日本性感染症学会認定医。母体保護法指定医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

はたみさんの子宮筋腫(漿膜下筋腫 7cm)が不妊治療にどの程度影響を及ぼしていると考えられますか?

漿膜下筋腫は妊娠には影響しない可能性が高いと考えられます。

レルミナの副作用が強く出てしまった場合の筋腫治療法について、先生でしたらどのような提案をされますか?

筋腫の治療と合わせて、子宮内膜炎があればGnRHアゴニスト療養といって月1回打つ注射を3か月行うと筋腫縮小や内膜の状態が改善するので推奨します

はたみさんの場合、1個の胚移植と2個の胚移植、どちらがより成功率が高いと考えられますか? また、2個移植の場合、筋腫との関連で母体への負担はどの程度考えられますか?

2個移植の方がたしかに妊娠率は上がりますが、双胎になると母体リスク(胎盤異常、妊娠高血圧、低出生体重児など)増加するので慎重に考えるべきだと思います。よく主治医と相談されることをおすすめします。

AMHは低くないとのことですが、子宮筋腫の存在やこれまでの体外受精、胚盤胞移植の結果を踏まえて、はたみさんにとってより最適な治療法や他に必要と思われる検査はありますか?

まずは胚盤胞を再度作成し、移植を続けることが良いかと思います。38-40歳で1回-3回の妊娠率は40-50%くらいですので、結局胚の異常であることが多く、移植し続けることが妊娠につながる可能性となります。

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