【Q&A】着床継続しない原因~松原先生【医師監修】

しおりさん(36歳)

2点相談です。

【1点目】
着床継続をしない原因について、卵側の問題以外には、やはり無いのでしょうか?
初期胚のためPGT検査も実施できず、移植を繰り返して、その運命の卵に出会うことを待つことが最善なのでしょうか?
次回の移植時には、SEET法または二段階移植を検討していますが、何か他の治療方針があれば、知っておきたいです。

【2点目】
主人から「周りの人は人工授精で成功している人が多い。やってみたら?」と言われました。人工授精へのステップダウンで成功することもあるのでしょうか?

操レディスホスピタルの松原先生に伺いました。

操レディスホスピタル 松原 寛和 先生
名古屋市立大学卒業。操レディスホスピタルでは、生殖医療部門の統括部長として、主に不妊治療を担当。医学博士。日本産科婦人科学会専門医・指導医。日本生殖医学会 生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●着床継続が難しい場合、卵子以外の要因として何が考えられますか?

不育症、銅と亜鉛のバランス不全などが考えられます。
検査としては、抗リン脂質抗体、抗核抗体、プロテインS活性、プロテインC活性などの免疫系検査、ご夫婦の染色体検査、血中の亜鉛と銅の測定などがあげられます。

●しおりさんは、初期胚の移植を繰り返すのが最善の方法でしょうか?それとも他の治療方針を検討すべきでしょうか?

今後、着床不全の対策を重ねて初期胚の移植を行っても結果が出ない場合には、胚盤胞まで培養できる工夫を行い、PGT-Aを実施されるのが良いかと思われます。

●SEET法や二段階移植を次回移植時に検討していますが、これらの方法の効果や他の推奨される治療法について教えてください。

SEET法や二段階移植は、どちらかと言うと胚盤胞が着床しやすくなるための方法です。ですので、PRP療法やPFC-FD療法をお勧めします。

●人工授精へのステップダウンで成功する可能性はあるのでしょうか人工授精と体外受精の違いやそれぞれの成功率について詳しく教えてください。

人工授精1回あたりの妊娠率は5~10%、体外受精の胚移植1回あたりの妊娠率は20~45%と報告されています。これより、体外受精から人工授精へのステップダウンはお勧めしませんが、体外受精のお休みをする間に人工授精を行われることは良いかと考えられます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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