【Q&A】PGT-Aを受けるには?~宇津宮先生【医師監修】

まこさん(33歳)
胚盤胞移植3回陰性のため先進医療でPGT-Aを受けたいと思っています。県外の有名な不妊クリニックのHPを見て受診したいと思っているのですが、片道4時間はかかるので迷っています。
交通費なども考えて検討したいと思うのですが、体外受精に進むまでにおよそ何回くらいの通院が必要ですか?

症例数に限りがあるとのことなので、早めに初診を受診したほうがいいのかなと思っています。
先進医療でPGT-Aが出来ると確定するのは、どの段階の治療まで進めばできますか?

宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

【医師監修】セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

 

初診からIVFまでは、前医のデータがあれば、その分、節約できますが、時間が経過していればやり直しもあります。一通りの検査結果が出て、その結果により方針が決まり、その中にPGT-Aも含まれます。よってPGT-Aまでは外来通院は3-5回かと思いますが、内容によっては異なります。
他院での治療実績でも、2回以上胚移植をして妊娠がなければPGT-Aに入れます。そのほか2回以上流産していても入れます。

4月開始をめどにPGT-A先進医療Bの計画が進んでいます。
そのための前提条件に、

①夫:精液検査、ホルモン検査、感染症検査、その他
②妻:不育症関連検査、子宮卵管造影、ホルモン検査、感染症検査、その他
③夫婦:染色体検査、心理カウンセリング、その他

①~②が終わったら、夫婦で院長(臨床遺伝専門医)からの説明を受け、特に染色体検査にまつわる注意点、PGT-Aについての詳しい説明などを受け、さらに夫婦別々、また一緒に心理カウンセリングを受ける。
これらの中で最も時間がかかるのは夫婦の染色体検査です。採血して3週間かかります。その前に染色体検査の意義、注意点などを夫婦で一緒に医師から聞きます。よってこれだけで1か月はかかります。その間、ほかの検査を行いつつ時間節約します。

まこさんは3回移植していますし、AMHは9とPCOタイプですのでPGT-Aに向いていると思います。なぜなら多数の胚盤胞から正常胚を選ぶのに適しているからです。これらの準備をしておいてPGT-Aの先進医療開始に備えましょう。もちろんある程度まで検査を進めておいて途中で気が変わり、どの段階で中止しても構いません。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。