【Q&A】2度の流産、不育症検査をするべき?~浅田先生【医師監修】

おまんじゅうさん (29歳)
2回続けて流産してしまいました。
2023年4月に7週で流産してしまい、その後なかなか妊婦できなかったので一般の産婦人科で検査をしたところ「黄体機能不全」「排卵できていない」とわかり、クロミッドを服用してタイミング法を始めました。
その後、妊娠できたのですが、2024年11月に18週で流産してしまいました。
脱落膜ポリープが原因と言われていて、流産後の健診でも子宮口から見えるポリープがまたできていると言われました。不育症、不妊症、ポリープを診てもらえる病院として、大学病院をすすめられたのですが、不育症専門の病院で不育症検査を受けたいとも思います。
不育症専門病院で検査・受診してポリープは別を紹介してもらうか、大学病院で検査・受診して不育症について疑問が出たら不育症専門病院を受診するか、悩んでいます。どのようにしたらいいでしょうか。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

年齢が29歳で治療を開始され半年~1年ということですが、AMH値を測られていないことが気になります。

2度目の流産の際に“脱落膜ポリープ”が原因と言われたそうですが、脱落膜化とは通常、妊娠によりに胎盤組織の一部として子宮内膜が変化していくことをいいますが、脱落膜ポリープとは流産後や分娩後の胎盤組織が十分に排出されずに残っている状態のことをいい、月経時に組織が綺麗に剥がれ落ちずにそのまま残ってしまいポリープとなる子宮内膜ポリープとは別の話になります。
ポリープが流産を引き起こす可能性についてですが、ポリープがあると子宮内の環境、特に低酸素環境が害されてしまうので受精卵の発育が上手くいかない原因になることがあります。
流産の主な原因とは、染色体異常で、染色体異常でなくても根本的な原因は遺伝子の異常だと考えられていますので、ポリープが流産の直接的な原因であると言えないと思います。

不育症専門病院の受診で悩まれているようですが“不育症”というのは不育症という病気があり、治療すれば治るというものではありません。
不育症という病名らしき名前はついていますが、以前は反復流産や習慣流産と言われていて、医学的用語として使用され始めたのはつい最近です。要は流産、死産を繰り返すことをいい、病名ではありません。

不育症の検査を行ってるので専門病院とみられているかもしれませんが、現在では不育症の検査自体に有効な検査はほとんどなく、ヘパリンやアスピリンといった薬剤を使用して治療しても効果があるとはいえないことが世界的な標準となっています。そのため大学病院や不育症専門病院に行かれても妊娠率を向上させる有効な治療を行うわけではないことを理解していただきたいと思います。
ポリープがあると受精卵の発育を阻害することもあるので不妊治療専門クリニックできちんと治療されることをおすすめします。

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