【Q&A】受精しても着床しない~高橋敬一先生【医師監修】

マサさん(46歳)

通院しているクリニックでは自然周期で採卵できるのですが、なかなか着床しません。高温期が10日以内だからなのではないだろうかと考えています。
その前に別の病院でもアンタゴニストで治療しました。
しかし、こちらも着床しません。結果は同じです。受精しても着床しない…。私は、どの様な治療が適しているのでしょうか?
漢方、鍼灸で高温期を維持することは可能でしょうか?
カウフマン療法とは、どのような治療法でしょうか?
夫の精子の運動率が悪いですが、受精はします。培養士さんの話だと、受精卵は見た感じは凄く良いそうです。遺伝子異常なのでしょうか?

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

着床しない原因の最も大きなものは胚の染色体異常です。年齢的には10個に1個が正常な胚と推測されます。したがって、一般的な方針としては、「できるだけ多くの胚を採卵して、できるだけ多くの胚を移植する」という方針になると思います。
着床前診断(PGT-A)も受けてもよいと思いますが、胚の数が少ないならば、検査せずに移植してもよいでしょう。

高温期も10日は確かに短いようですので、胚移植する際には積極的にホルモン剤を追加使用してもよいと思いますよ。胚移植時の高温期の維持は、漢方、鍼灸ではなくホルモン剤が主流です。

カウフマン療法は排卵誘発方法ではなく、本来は生理をおこすためにおこなわれます。卵巣機能がかなり悪い方に使用して、何とか自然に排卵するのを待つ方法です。マサさんはAMHが十分高いので、カウフマン療法は関係ない方法です。

精子の状態も、胚盤胞になることには関係しますが、この程度で遺伝子異常には関係しないと思います。
年齢的にはかなり厳しい状況だとは思いますが、AMHが年齢的には高いようなので、何とかたくさんの採卵をして挑戦してみてはいかがでしょうか。頑張って下さいね。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。