【Q&A】35歳、低AMHだと体外受精すべき?~向田先生【医師監修】

みーさん(35歳)

今年2月にタイミング法で妊娠し、3月に稽留流産(染色体異常が原因)、8月に自然妊娠し9月に稽留流産(検査してなく原因不明)を経験しました。
AMHが低いこともあり、不妊治療を体外受精まで進めるか悩んでいます。
なるべくなら自然に近い形で妊娠出産を経験したいと思ってはいますが、年齢のことを思うと体外受精をしたほうがいいのか悩みます。
流産も2回し、家族が不育症であることもあり、不育症検査を受けている途中です。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
35歳という年齢で、挙児希望のために治療を受けておられ、AMH値が1.1と41-42歳の中央値と同じレベルですので、その点から2人目の挙児まで考えた場合、ART医療で凍結保存胚を作っておいた方が適切と思われます。
自然妊娠、また人工授精等で妊娠できた場合、2人目はその2年後になりその際のAMH値は更に低下し、より妊娠しにくくなっていると思われ、卵の数、質の低下から、今回の妊娠の可能性を高める点、2人目のための受精卵を凍結保存しておくべきと思われます。
また、2回流産があり、また家族に不育症がある場合、染色体異常(染色体転座)が関係する流産も検索対象にすべきで、それはご夫婦の染色体検査(血液検査)により解析できます。
35歳という年齢、AMH値が低い、確実な挙児であれば、ART医療しかなくそれが保険診療で出来る時代なので早期の対応が適切です。自然妊娠や一般不妊での挙児を希望し、さらに時間を失い、仕方なくART医療に入った時はもっとAMH値が低下し、適切な数の卵も採れず失った時間を後悔される三十台後半の患者さんはとても多いと思います。35歳という年齢は大きい不妊要因です。
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