【Q&A】30歳で保険終了。自費でできる検査は?~向田先生【医師監修】

かきさん(30歳)

今までに採卵3回、移植6回(うち2回2個移植)をしています。移植5回まで着床すらせず。
6回目の2個移植でhCG350で着床しましたが、その後、胎嚢確認できず化学流産となってしまいました。
残り4AB胚盤胞が1つ残っていますが、PGT-Aも検討しています。この年齢で保険を使いきってしまい、かなり心身ともに疲弊していますが、一度着床したこともありまだ治療を終える決断ができません。
ただ自費治療は費用面で限度があることから、慎重に進めて行きたいと思っています。
TRIO検査と子宮鏡検査はすでに行っていますが、他に必要な検査はありますでしょうか。またPGT-Aはやはり有効でしょうか?かなり費用がかかるので迷っています。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

30歳でAMH7.6と良い値で、3回採卵を施行し、移植を6回も施行しても妊娠出産に至っていない、まだ4ABの胚盤胞が残っているということはそれと同程度の胚盤胞を移植できているということを考えると、その施設のARTのレベルは高くない、むしろ低いのでは?
このような背景の患者に、適切な妊娠を提供できないのは問題では?と思います。それか、極めてまれな着床不全子宮状態と言わざるを得ません。(しかし子宮鏡も問題ないのであればそれも考えにくい)

すべてのART施設が、よいレベルの臨床と、それに付随するART Labo(培養室)を持っているわけではなく、やはり結果が出なければ、より高度でレベルの高い専門性の高いクリニックに転院する必要、望む結果を得るようにする必要があると思われます。

30歳なので染色体異数性の割合は高いわけではないので、PGT-Aを施行しても、結果では異数性なしの状態でありこの問題の解決にはならないと思います。

PPOS法で適切な誘発を行い、形態良好な胚盤胞をより多く得て排卵周期の凍結胚移植を行えば、問題なく継続妊娠に至ると思われます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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