りんごさん(38歳)
(1)不育症検査は必要か?
(2)PGT-Aを検討した方がよいか?
両角レディースクリニックの両角和人先生にお伺いしました。
【医師監修】両角レディースクリニック 両角 和人 先生
福島県立医科大学医学部卒業。ハワイ大学医学部生殖生物学研究所留学、福島県立医科大学産婦人科学講座助教、国際医療福祉大学大学院講師などを経て、2012年に両角レディースクリニック院長に就任。患者さんやスタッフなど「ご縁のある方を幸せにする」というのが信条。
●りんごさんが過去に 2回の流産を経験されていることを考慮に入れて、先生のクリニックでは不育症検査を推奨されますか?
この場合は不育症検査をお勧めします。
●「流産を繰り返したくない」という強い意志を持っていますが、流産が再発する可能性はどの程度の確率であると考えられますか?
この答えは返答が難しいです。治療を受ける施設を変えるなら成功率が上がるかと思います。
●凍結胚が3つ残っていますが、そのまま移植に進むことを推奨されますか? それとも他の選択肢を提案されますか?
通常はPGTをお勧めします。やはり流産を繰り返すことは心身への影響が多大なるもので、もう一度流産となると治療自体を止めることも起こり得ます。
●りんごさんはPGT-Aを検討していますが、この検査を推奨されますか?
本人が流産をもうしたくないという気持ちが強いのであればPGTを強くお勧めします。ただPGTはまだわからない部分もあり子供への影響が不安視されている部分もあるため、自分の中で正直になり順番をつけることが良いです。つまり流産を繰り返したくない、流産よりも子供への負担を減らしたい。このどちらを優先するかです。妊娠し子供を育てていく時にも色々な場面で選択をしなければならない訳ですがここはご本人とご主人で決めるところです。
私の個人的なアドバイスはやはり母体優先の法則があり、お母さんが心身ともに傷ついてしまったら生まれてこれる命も生まれなくなるためここはPGTを使い先に進むほうが良いと思います。
●PGT-Aを行う場合、りんごさんの凍結胚に対してどのような影響があると考えられますか?
凍結胚盤胞の場合、融解しバイオプシーをして再度凍結し、移植する際に再度融解します。胚に対してかなりの負担となります。ラボの技術が無いと厳しいことになります。つまり胚が死滅することもあります。せっかくの正常胚だとしても流産になることもあります。
可能なら再度採卵をして新鮮胚でPGTをすることが良いかと思います。