【Q&A】PGT-A正常胚でも妊娠しません~前沢 忠志先生【医師監修】

このん♪さん(44歳)
2020年4月より体外受精を始め、採卵10回、移植9回経験済みです。
2020年6月、初めての移植で低hCG(BT7で15)で着床し、心拍2回目確認後、稽留流産になりました。
その後、4回目まで陰性を繰り返し、PGT-Aを行うことにしました。
☆5回目移植(正常胚)→陰性
☆7回目移植(モザイク胚)→化学流産
☆8回目移植(検査ナシ2個移植)→化学流産(数値上がらず強制終了)
☆9回目移植(正常胚)→化学流産
着床してもその先に進むことが出来ません。
9回目移植後は正常胚に出会うため、採卵を5回程繰り返していますが、未だ正常胚に出会えず、9月に11回目の採卵予定です。正常胚でも育たないのは内面的(ストレスや気持ち)の問題が大きいと鍼灸の先生よりお聞きしましたが、他にも原因があると思われますか?正常胚は検査をせずに移植すれば育つ可能性はあったのでしょうか?
年齢のこともあり焦っています。よろしくお願い致します。

【医師監修】みのうらレディースクリニック 前沢 忠志 先生
日本産科婦人科学会専門医、指導医。日本生殖医学会専門医、指導医。母体保護法指定医。2005 年浜松医科大学を卒業後、初期研修を経て三重大学産科婦人科の医局に入局。済生会松阪総合病院、紀南病院などを経て、2012 年よりIVF なんばクリニック、IVF 大阪クリニックで不妊治療を学び、2016 年より三重大学医学部附属病院勤務。令和6年 みのうらレディースクリニック院長就任。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
正倍数性胚を移植して、妊娠にまで至っておりますが、流産になっているということは、着床障害・不育症検査をすすめます。
不育症検査は多岐にわたり、子宮内フローラ、慢性子宮内膜炎(CD138検査)、凝固系検査(抗リン脂質抗体症候群(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗PE抗体(IgM、IgG))、プロテインC活性、プロテインS活性、凝固第12因子)、免疫因子(Th1/Th2比)を当院では推奨しています。まずは、こちらの検査を実施してはいかがでしょうか?

■正常胚でも育たないのは内面的(ストレスや気持ち)の問題が大きいと鍼灸の先生よりお聞きしましたが、他にも原因があると思われますか?

正倍数性胚であれば、あまり関係ないと思います。鍼灸の先生のいうことは気にしない方がよいでしょう。ストレスのせいにするのは、原因がわからない時によく使われる常套手段ですが、まったく何の解決策もないのでただ言っているだけと思ってもよいくらいです。それよりも、他の原因の方が考えられます。

■正常胚は検査をせずに移植すれば育つ可能性はあったのでしょうか? 年齢のこともあり焦っています

生検のダメージが大きければ妊娠まで至っていない可能性の方が高いとは思いますが、断定は出来ません。PGTは、施設の技術により成績は大きく異なってくるため、今後どうするかはいろいろと調べた上で決められた方がよいと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。