【Q&A】採卵数が多いのに胚盤胞が少ない原因は?~浅田先生【医師監修】

みーこさん (30歳)
2024年3月末から不妊治療開始。
初回の検査で、夫の精子が少なく、私のth1/th2比も高いことがわかり、3人の子どもを授かりたいという思いから、自費にて治療を開始しました。

採卵数が多いのに胚盤胞になる確率が低いです。何か改善する方法はありますでしょうか?
医師からは「細胞膜が弱く、卵子の質が問題」と言われています。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

質問者さんは30歳でAMHが5.3ということは、多嚢胞性卵巣症候群の可能性があります。多嚢胞性卵巣症候群の場合は、卵子の数が多く、卵巣刺激が適切でないと、見た目は成熟していても実際には成熟度が低い卵子を採取することになります。そのような卵子は、受精率や、胚盤胞到達率が低くなります。

大事なことは、成熟した卵子を採卵することです。それが卵巣刺激の技術の要になります。さらに、高い技術で受精操作して受精卵を多く作り、培養技術で胚盤胞まで成長させます。患者さん自身がサプリメントを飲んだりして改善できるものではありません。
卵巣刺激や受精操作、培養技術は、それぞれの施設が固有の技術で行っています。

もしなかなか結果が出ないのであれば、より高い技術を持つ施設へ転院することが重要です。同じ施設で結果が出なければ、施設を変えることも検討していただきたいと思います。
多嚢胞性卵巣症候群は、卵巣刺激がやや難しいですが、専門家はそれを適切に治療できる技術を持っています。

 

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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