【Q&A】3回目の移植か採卵かERA検査か……~向田先生【医師監修】

あやさん(43歳)

PGT-Aで移植可能な胚が、モザイクを含め3つ(9個の胚盤胞中)あります。
3回目の移植か、再度採卵か、ERA検査を受けるか悩んでいます。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
43歳でAMHが2.81と卵巣予備能が保たれており、再度採卵を企画されても積極的な誘発を行えば十分な数の卵が得られると思われます。これはPCOSが不妊の原因となっているためで、この年齢で考えた場合、卵巣予備能の値が比較的保たれている状況になっているのはプラスになっていると考えられます。
まず、PGT移植可能胚盤胞があるのでしたら、それを排卵周期による卵胞期管理で移植するのが適切と思われます
1回目の移植、2回目の移植の情報(どのような内膜調整方法であったか?Day5のタイミングか?Da6のタイミングか?、その際のホルモン値)があればより適切に3回目の移植方法を提案できると思います。
また、凍結しているPGT胚で移植可能胚3個ありますが、その内モザイク胚がいくつあり、それがどの程度なのかを考えて決めるべきかと思います。やはりモザイクの程度が高ければ妊娠率、流産率が正常胚と比較して悪いです。
これまでの合計20個の採卵で9個の胚盤胞にPGT検査を行い、3個の移植可能PGT胚が得られているのは、一般的な確率より高いと判断出来ます。2人以上の子供を考える場合には移植可能胚が多く得られる可能性のある今のうちに再度採卵に向け、1個でもPGT正常胚盤胞を増やすことがいいかもしれません。
またERAテストなどを行うことも、移植に向けては参考になりますが、高額なうえで、診断のために1周期を使うことよりはむしろ採卵の方がいいのではと思います。妊娠に向けては、体重コントロールとして継続的な食事療法、運動療法を行うことが、いい方向に働くかもしれません。BMIが高い方が妊娠率が低いという報告は少なからずあります。
ご参考になれば幸いです。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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