【Q&A】水腫の影響と腹腔鏡手術~町田真雄子先生【医師監修】

りこさん(37歳)

クリニック1は不妊専門ではなく、移植日がすべて土曜であったためタイミングが本当に適切か不安を覚え、クリニック2に転院。
治療歴にも記載の通り、水腫と癒着があると診断されました。ただ、これまで心拍確認前まで進んだ事、着床する事があるため、腹腔鏡手術をすべきか悩んでいます。水腫によって、成長が止まり、心拍確認ができなくなる事はあるのでしょうか。

トーチクリニックの町田真雄子先生に聞いてきました

【医師監修】torch clinic 町田真雄子 先生
秋田大学医学部卒業。同年東北大学医学部産婦人科学教室入局。その後京野アートクリニック高輪、両角レディースクリニック、東京HARTクリニックにて生殖医療に従事。2024年4月よりトーチクリニック勤務。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医。日本産科婦人科遺伝診療学会認定医(周産期)。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
流産を2回されているとのことですが、流産絨毛染色体検査は受けられましたでしょうか?
胎嚢確認後に流産となる原因として最も多いのは染色体の異数性(トリソミー)と言われています。もし、検査を受けられていないのであれば流産の原因は断定できないのですが、卵管水腫については、不妊治療の現場においては移植前に切除(水腫のある側を切除してしまう)あるいはクリッピング(癒着がひどくて卵管切除できない場合に子宮と卵管の交通を遮断する)がスタンダードだと思います。

ご質問にあった胎嚢確認後に心拍確認ができなくなって流産したのは卵管水腫が原因かについては、卵管水腫がなくて絨毛染色体検査でも異数性がなく流産する場合もあるので何とも言えません。着床しなかった移植については卵管水腫が原因だった可能性はあると思います。
今までの既往歴を見させていただくとあと一つ凍結胚が残っておりますでしょうか?移植の前に腹腔鏡手術をお勧めします。
できるだけ自然な形での妊娠を希望されているとのことですが、タイミング法や人工授精での妊娠も希望されているということであればどちらか片方の卵管が残っていれば自然妊娠や人工授精での妊娠も可能です。水腫のある側の卵管も癒着を剥離して卵管自体を残す選択肢もありますが、水腫の再発や子宮外妊娠などのリスクもあり個人的にはお勧めしません。また、2回流産されているので不育症の検査もお勧めいたします。
 次の治療がうまくいきますよう祈っております。
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