【Q&A】高齢の場合は2個戻しをするべき?~向田先生【医師監修】

ななもさん(42歳)

一回目の採卵(2月13日)PPOS法。4個中、3個未熟、1個受精(4細胞 グレード2)凍結
二回目の採卵(3月21日)ショート法。3個中、1個は使えない卵の可能性高いとのこと。1個受精、凍結。グレード等は次回診察にて。
高齢でタイミングがあるため、移植は2個戻しを勧められました。
診察の度、また何か質問をしても高齢であることを指摘されますが、体質、検査数値に関係なく高齢には2個戻しがお勧めなのですか?
2個戻しのほうが妊娠の確率があがるのでしょうか?

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
本症例のような42歳という年齢で、移植胚数を考慮する上で重要なことは凍結保存されている胚は分割期の受精卵なので、その後胚発達によってすべて胚盤胞になるわけではない点胚盤胞に達しなければ着床しないのは明白ですので、42歳における染色体異数性の割合は7割以上であるため、今得られている胚が正常染色体背景である確率はかなり低いと思われます。
保険診療対応の移植は3回しかないので1個ずつにすれば、保険の移植の機会をすぐに失う、それらの点から、2個以上の複数胚移植が適切です。
本症例においてBestなART医療アプローチは、積極的な排卵誘発で10個以上の卵の採取を目指し、胚盤胞まで受精卵を発達させ、PGT-Aを併用して異数性の無い正常染色体背景の胚盤胞を得て移植すべきである、と生殖医療専門医としては考えられます。
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