【Q&A】次の移植までにできることは?~稲垣先生【医師監修】

みいこさん(30歳)
私(妻)・主人ともに30歳、男性不妊により治療中です。夫は「ホルモン値等は正常値で原因不明」と言われました。
TESE済(凍結精子では胚盤胞までなりませんでした。現在凍結精子0本、海外駐在中)。
私はトリオ検査をして問題無し。2022年から治療を開始。現在まで採卵6回で胚盤胞3個凍結、ホルモン補充周期で2回移植をしました。移植1回目、6日目3AB陰性となり、残り2個は移植に進む前にトリオ検査をしてすべて問題無しでした。検査後に移植2回目、6日目5AA陰性でした。1回目、2回目どちらもhcg2.30未満と言われました。ホルモン補充をしているのに8mm以上になりません。
病院から「ホルモン補充は内膜が6mm以上あれば移植ができるから問題ない」と言われ、「できることはない。回数をこなすしかない」とも言われましたが、夫は今年の帰国時期が未定のため採卵はできず、残っている胚盤胞での次の移植までにできることがあればしたいと考えています。アドバイスをください。よろしくお願いします。

【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●現在までに移植を2回実施し、いずれも陰性だったそうです。陰性が続くのはどのような原因が考えられますか? 
なぜ妊娠が成立しないのかとういう意図でのご質問と考えます。これについては妊娠成立のプロセスのどこかで問題が生じているのでしょうが、そのどこに問題があるのかまでは残念ながらいただいた情報だけでは判断しきれません。
●ホルモン補充周期の内膜は、何mm程度を目指せばよいですか? 
当院では7mm以上かつ採血にてエストラジオール150pg/mL以上、プロゲステロン上昇無し(;おおむね1.00ng/mL未満)を目安としており、子宮内膜の物理的所見のみでは判断しておりません。
●次の胚盤胞移植までに受けたほうがよい検査など、何かできることがあれば教えてください。今後の治療の進め方についてアドバイスをお願いします。
可能であればご主人の精査を検討されてはいかがでしょうか。すこしデリケートな内容になりますが、遺伝カウンセリング等を含めた遺伝的素因に関連した乏精子症の可能性についての精査を検討されてはどうかということです。
これによって染色体の転座等が見つかった場合など、PGT-SRによって正常表現型の胚の選択が可能になります。もしくは、または異常がなかった場合などはPGT-Aを併用したARTも検討の余地はあると思います。現実的には経済的な負担が大きいのですが、そのほかには女性(みいこさん)に対してはホルモン補充の増強や摂取経路(経皮、経口など)の変更等も検討してみてもよいかもしれません。
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