【Q&A】低AMHのレコベル治療~福田雄介先生【医師監修】

なっちさん (30歳)
先日、低AMH0.89と判明した30歳です。FSH5.9、LH3.7、プロラクチン9.27、テストステロン0.07です。体外受精に向けて、現在初めての治療が始まるところです。ブセレリンとレコベルを使ってロング法を行う予定です。低AMHのため、保険診療でいいか迷っております。
保険診療ではなく最初から自費診療で行った方が良いのではないのかと心配しております。低AMHでもレコベルを使って妊娠出産することは可能でしょうか。それとも、初めから自費診療に行った方が良いのでしょうか。また、過去に脂肪吸引(太もも、臀部、顎)と鼻プロテーゼをしております。
こういった美容整形は不妊の原因になるのでしょうか。先生のご意見をお聞きしたいです。

福田先生に聞いてみました。

【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生 
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て福田ウイメンズクリニック副院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●レコベルの効果について教えてください。
レコベルは卵胞の発育を促すF S H製剤になります、自己注射が可能なものです。
ロング法での採卵でしたらF S H製剤でも発育はあるとは思いますが、hMG製剤(卵胞発育に関係するF S HとL Hを含有したもの)を勧めます。
●低AMHでもレコベルを使って妊娠出産することは可能でしょうか?
まず、低AMH=低妊娠率とはなりません。
AMHはあくまでも卵巣にある卵子の量(卵巣予備能力)を示す指標です。
月経周期が27日、FSH5.9と正常なのでここ1-2年で卵子がなくなってしまうわけではありません。
また、AMHは卵子の量を表しますが、卵子の質は年齢となります。
なっちさんの年齢30歳を考えると決して質が悪いわけではありません。低AMHでも妊娠出産は可能です。
ただし、卵子の量が少ないのであまりのんびりすることは勧められません。
●低AMHの場合、保険診療と自費診療とでは妊娠・出産率に違いはありますか?

まだ体外受精を始めていない状況を考えると、保険診療と自費診療とでは妊娠・出産率に違いはないので保険診療を勧めます。

●先生なら、低AMHの患者さんにどのような治療や検査を提案されますか?

 先ほどもお話ししたように低AMH=低妊娠率ではありません。
実際にタイミングなどを合わせられていない患者さんに対しては一般不妊検査(ホルモン検査、卵管疎通検査、Huhner検査、精液検査など)を行いつつタイミング療法から開始します。
ただし、卵子の量が少ないのである程度のスピード感を持った治療を提案します。
患者さんにもよりますが、タイミング療法で3周期、結果が出なければ人工授精(A I H)を3周期、それでも結果が出なければ体外受精に進みます。

もちろんHuhner検査に異常があったり精液検査に異常があれば早めに人工授精(AIH)や体外受精を考慮します。

●美容整形が不妊原因になる、ということは考えられますか?

現在アレルギー症状などなければ問題ないと思います。

●その他、アドバイスをお願いします。
患者さんによってどこまで治療(A I Hまでを考えているなど)をしたい、どの様に治療をしたい(2人目も視野に入れている)など考え方は様々なのでよく相談して治療を進めていく必要があります
漫然と治療をするのではなくある程度計画を立ててタイミング療法3周期で結果が出なければstep upするなど夫婦でも相談し、あらかじめ決めて治療をすることを勧めます。
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